北岳バットレス・下部フランケ~Dガリー奥壁

トコロ会長、のたぞうくん(静岡踏岳会)、トシゾーでバットレスに行ってきました。


▲週末は天気が下り坂・・・さすが嵐を呼ぶ男「トコロ会長」!台風も呼んでしまうとは!
なので、当初の予定では土曜日移動日、日曜登攀でしたが金曜夜立ちの土曜日登攀、日曜下山としました。台風の予報で日曜日はお昼でタクシー、バスは運休するとのこと。
天気も快晴だし、土曜日の登攀で大正解!


▲D沢を詰めて、5尾根から登攀開始!今回は伸ばせるだけ伸ばそうと思い60mザイルで登る事にしました。5尾根も3ピッチですが2ピッチで終了。


▲下部岩壁から下部フランケへ。右に見えるのがピラミッドフェースです。
下部フランケには左のルンゼを上がって取り付きます。
それにしても空が青すぎ!


▲下部フランケ1ピッチ目は左から回り込むルートでは無く、直登ルートへ!
Ⅵ級-との事ですが、果たして!?ホールドが甘かったですが、無事に登って終了~
トコロ会長もフリーで突破!?


▲のたぞうくんもフリーで!彼とは始めてザイルを組みましたが、落ち着いた登りっぷりには感心してしまいました。


▲下部フランケもザイルを伸ばしました。体を張り出す所もあってなかなか面白いルートです。


▲自分は下部フランケ~Dガリー奥壁は初めてなので、トラバースのルートを探すのに一苦労。昨年登ったトコロ会長はトラバースポイントが分からず直上してしまい四尾根に出てしまったとのこと。


▲何となく!?野生の勘!?でここだろうと決めてトラバースをすれば残置もあって正解。
でもこのトラバースは嫌らしいったらありゃしない!


▲富士山も遠望することが出来ました。
目の前の吊り尾根を歩いたら気持ちよさそう!でも夏に歩く人はあまり居ないか・・・


▲さあて、やって来ましたDガリー奥壁1ピッチ目!威圧的な三段ハングですが、果たして!?でも取り付いてみれば、ホールドもあって、クラックにジャミングすればスンナリ抜けてしまいました。


▲ハングを抜けるのたぞうくん。ジャミングも決まって快適!?


▲トコロ会長もフリーで!昨年は抜け口のお助けシュリンゲを使ってA0で抜けたようですが、今回はしっかりフリーで登れました。あのお助けシュリンゲは邪魔だから取ってくれば良かった。


▲核心のハングを抜けられたので一安心。と上を見上げれば下部はクラックを使って登れば良さそうですが、上部のスラブが嫌らしそう・・・


▲見た目通り、上部のスラブは痺れました。ピンは少なめだし、甘いスタンスでフリクション頼み。60mいっぱい伸ばすとザイルが重い~!


▲オフウィズスは早めに抜けて城塞ハングの下でピッチを切りました。


▲1年振りの城塞ハング。昨年自分が打った赤いハーケンもまだありました。人伝に聞くとあの赤いハーケンは良い所に打ってあると評判とのこと。でもフルテンション掛かったら抜けるかもしれないので、人が打ったハーケンはあまり信用なさらないように!
昨年は初見と言うことで苦労しましたが、2回目とあって簡単。トコロ会長は初かな?


▲終了点のテン場で記念撮影。
三人で貸し切りのバットレスを堪能できました。天気も最高でガスっていないバットレスは初めてかも!?
のたぞうくんも初アルパインがバットレスで、しかも下部フランケからDガリー奥壁ルートを登るなんて、凄い!頑張りましたね~!


▲6時に広河原、9時に下部岩壁取り付き、終了点には14時30分と慌ただしいアプローチ&クライミングでしたが、良いルートでした。八本歯からの下山途中バットレスに目を向けると、トラバースをしているクライマーの姿が。15時30分でトラバース!?このままDガリー奥壁に突っ込めば間違いなくヘッデン登攀・・・
心配になりましたが、それは当事者達の判断。下山途中に偶然このパーティーにお目にかかったら、やっぱり終了点に到着したのは19時とのこと。そこから二俣まで降りてきて21時。ツエルトを被ってビバークされたそうです。抜けられたので良かったですが、ヘッデンでの行動はね~・・・自分には真似できません。

これでようやくバットレスも終えることが出来ます。
崩落後からクライマーの姿は激減。バットレスに30年以上通い続けているK泉さん曰わく、マッチ箱のピークの亀裂が大きくなったとのこと。
いつ崩落するか分からない状態のようです。来年か?5年後か10年後?
枯れ木テラスの崩落の時のように、たまたま下でビバークしていて落石を受け死亡されてしまったクライマーのように死亡事故が起きないことを祈ります。