残雪いや新雪の蝶ケ岳

残雪いや新雪の蝶ケ岳
S子 M美 K男 H介 (文)H男
 
4月27(土)
朝4時に静岡発、沢渡には7時過ぎに着いた。雪が降っていた。5人乗りタクシーを頼んだ。運転手は大雪で登山規制がかかっていることを教えてくれた。行けるところまで行こうと徳沢に向かった。上高地ターミナル着8時。上高地の客はこの雪でパラパラといるだけだった。徳沢園10時30分。掲示してある注意書きは、横尾以上のルートは入山全面禁止、蝶の長塀ルートにはかかっていなかった。蝶ケ岳ヒュッテに電話をし、上部はラッセル、ルートファインデイングが難しいから慎重に赤布を追うようにとの注意をうけた。やはり行けるところまで行こうと登り始めた。
 

始めから急登。積雪と氷結、間もなくアイゼンを履いた。1時間ほどで坂はそれでも緩やかになった。尾根道になったのだが降雪と強風の中、まずは長塀山を目指した。3時間、長塀山の表示はなかった。たぶん雪の下だろう。少しずつ天候は回復し、太陽が顔を出すときもあった。直角に左折するところでは、地図とコンパスを使いルート確認。二か所の池は氷結、雪の下、ただ平坦なところがあるなとだけ認識。アイゼン不調と寝不足からくる体調不良者一名。小屋到着が遅れることを覚悟。森林地帯を抜ける頃天候は完全に回復したが依然強風。私とS美さんは一足早く小屋に向かい、ザックを置いて迎えにいく、というつもりだったが、H介さんも追いかけてきてあっという間に私たちを追い抜いた。強いH介さん。忍者みたい。
 
頂上到着15時50分。迎えはH介さんに任せ、私たちは頂上からの展望を楽しんだ。思ったより早く後続たちも到着。明日の天候を期待しながら、16時30分、ヒュッテに入った。ヒュッテでは驚くことにK男さんが500mlビールを皆に配った。強力の素質あり。


28日(日)

素晴らしい日の出を見て、反対側槍穂の夜明け。寒くてガタガタしながら大展望の時間経過を味わった。朝食後尾根を常念方向に少し歩きこの絶景をゆっくりと眺めた。雲一つない四面大展望。これぞこのコースを選んだ理由とその価値。期待以上の大満足。しかし、眺めた翌週予定の槍ヶ岳、槍沢は雪に埋もれ、涸沢のヒュッテやテントも見えない。すごい雪だ。急坂下りの横尾への予定コースは変更、9時、きのう来たルートを帰ることにした。途中安倍っこ山岳会のTさんと会った。
徳沢12時15分、好天で賑わう河童橋を通過、バスターミナル15時。沢渡で入浴とそば。静岡到着は21時だった。