3月19日,20日 赤岳西壁主稜

昨年,クライミング教室1年生だった私は,HMDさんから,赤岳主稜という,ダイレクトに赤岳山頂に出る景色もすばらしいルートがあると教えていただき,3月に計画をしていました。


しかし,残念ながら天候が悪く中止となってしまいました。

そんなことから,今年は絶対に主稜に登りましょうと,昨年から3月の連休に日程を決め計画してきました。

赤岳主稜を調べてみると,
日本登山体系8「八ヶ岳・奥秩父・中央アルプス」白水社より

主稜「北峰リッジ」4時間(行者小屋から)
主稜の名にふさわしく,西壁の正面からダイレクトに頂上へ抜ける,西壁を代表するルートである。適度な岩場と雪稜が続き,これから本格的な冬のバリエーション・ルートを志す中級者に人気がある。


WEBでも,多数の登山報告がされており,人気が高いルートのようです。

というわけで今回の参加者,私と忍者君,名古屋からHMDさんとSOさん,MZさんの計5名です。

あいにく,19日の天気は雨。

名古屋チームとの合流を美濃戸口11時に遅らせます。

3連休という事で駐車場の混み具合を心配しましたが,雨の予報のせいか,車は意外なほど少なかったのですが,多くの登山者の方が歩いていました。

11時40分 5人で美濃戸を出発し行者小屋を目指します。

しかし,この日は,とにかく調子が悪い。←私

何が悪いか?

体が重い,足が重い,力が出ない,などなど。

大ブレーキです。
でも,山をやるからには,調子が悪いなりにも歩けなくてはどうしようもありません。
休み休み歩きます。
途中,小滝の氷の様子を見に行きます。
何とか,できそうな感じ。

14時45分,行者小屋に到着。

くたくたです。

夕食は,ビーフシチューです。
先週の行者小屋のメニューは,カレー。
そうとも知らず,今週の我が家の夕食もカレー。
ほっと胸をなでおろします。

ちなみに,ご飯とポトフはお代わり自由です!

翌日は起床3時30分,行者小屋出発4時30分です。
今日の疲れは今日のうちに取らなくてはなりません。
耳栓を装着し眠りに入ります。

で,翌日,お弁当にしてもらった朝食です。

周りの方への配慮からヘッドランプを赤にしていますので,せっかくのお弁当が台無しです。

食事は,見た目が大事!
真っ赤なお弁当は美味しくありません。


予定通り,4時30分出発します。


おやおや? トレースがありません!
私たちのパーティーが先頭です。
今週も,新しい踏み跡をつけていきます。
先週のラッセルに比べればどおってことありません。
先頭交代しながら,文三郎尾根を登ります。

5時38分 主稜の取り付きへのトラバース分岐へ到着。
このトラバース。
当然,ザイルなしで取り付きまで移動する人たちもいます。
しかし,ここはHMDさんの指示でザイルを張ります。


こういう判断が,私にとっては非常にありがたいです。
どおってことないトラバースですが,こんなところで万が一でも滑ったら大変なことになります。
余分はリスクを犯すことはありません。

全員,無事に取り付きに到着します。

忍者君が,ルートファインディングの練習をしたいからと言うことで,忍者君と私のパーティが先行させてもらうことにします。
(HMDさん,SOさん,MZさん,お先にすみません。)


6時6分 忍者君のリードでクラミング開始。

クライミング自体は,難しいところはありません。
ホールドは基本ガバ。
特別なムーブも必要ありません。

だからといって,油断したら大変なことになりますので,慎重に手の位置,足の位置を決めて高度をあげます。

ところどころ,中間支点を取りづらいところもあるため,ランナウトしがちです。

途中,こんな感じでアンカーが打ってあるところを利用しセカンドを引き上げるための支点を作ります。

中間支点は,適当な岩にシュリンゲをかけて確保していきます。

今回,私は縦走用のピッケルを使いました。

ところが,登ってみると,とにかく邪魔です。

岩と氷,雪(かなり少な目)のミックスです。

ちょっと,ピッケルを使いたいと思うところもあります。

しかし,手で登るところもあります。

自分はこのグリベル スプリング リーシュ ベルトを使っているのですが,丸い輪っかに刺しておくと,登っている時,足の前に出てくるのですごく邪魔になってしまいます。

では,他の人たちはどうしていたかと言うと,忍者君はペツルのクォークに手首のバンド,HMDさん,SOさん,MZさんはアイス用アックス。
やはり,アイス用のアックスか,もっと短いピッケルにして手首バンドの方が良いようです。



全て,一人でリードしているHMDさん。
セカンドのSOさん,MZさんも初めての主稜でしたが,HMDさんの指示のもと,着実に高度を上げていきます。

まずは,セカンドとしてルーティーンワークを確実にこなすことができるようになることが大事ですね。

さすがにSOさん,MZさん,落ち着いています。



最後の岩稜帯が見えてきました。
今年は,雪が少ないそうです。
もっと雪があればアイゼンを効かせることができます。
中間支点は,ピナクルなどからシュリンゲでとりました。



いつも自分の写真がないので,今日は美しい阿弥陀をバックに写真を撮ってもらいましたぁ⤴。

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あれっ!?


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ちょっと,残念な感じがします,,,,,⤵。
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そんな感じで,最後の岩稜帯の基部に到着。

途中,休憩している間に2パーティーに抜かれてしまいました。

大混雑!!!!

8時40分,抜いていった先行パーティーが先にスタートしますので私たちはしばらく待ってからのスタートです。

日陰は寒かったのですが,素晴らしい天気とこの景色!!!!

そして,,,

みんなのこの顔!


11時28分 赤岳山頂に到着です。


前回来た時は,雪で景色が見えなかったので,
赤岳から眺める景色は初めてでテンションがあがります。

とても良い景色なので,阿弥陀をバックに写真をとってもらうことにします!!!


カメラを渡し,お願いしま〜〜〜〜す!
  

私「この場所でいいですか?」
  
HMDさん「いいよ〜〜。」


私(ホントに,この場所で阿弥陀が入るのかな?)


私「もっと右に移動した方がいいですか?」

HMDさん「いいよ〜〜。」


私(ホントに大丈夫かな?)

HMDさん「はい,とるよ〜〜〜〜!」

カシャッ!!!
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あれっ!?



ゆっ
ゆっ
指が,写ってますけど,,,,,。




せっかく風もなく穏やかな山頂。
降りるのはもったいないですが,下山します。

12時18分,朝,トラバースした分岐に到着。
私たちが登った主稜の全景です。
まだ,たくさんの人たちが主稜を登っています。


13時に,行者小屋に到着。
気がつくとMZさんは,朝のお弁当を食べているようです。

今回,MZさんは,たくさんお酒を飲み,よく食べ,よく眠り,よく登り大満足だったんじゃないでしょうか。

美濃戸に戻ると三連休の中日。
車でいっぱいです。

私たちの下山をずっと待っていてくれたディフェンダー号。
阿弥陀をバックに横顔を撮ってあげます。

翌日,泥だらけにしてしまったディフェンダー号にありがとうの気持ちを込めて洗車をしてあげました。
また,私たちを無事に運んくださいね!



今回は,念願の赤岳主稜を登ることができました。

初日,天気も悪く,調子も最悪でしたが,
翌日はみなさんのおかげで,素晴らしいクラミングをすることができました。

日常を離れ,一人では登れそうもない山に登り,普段見ることができな景色を見て。
あの山に登ってみたい!

ただ,それだけで仲間と心がつながります。
そんな人とのつながりをいつまでも大切にしたいと思いました。
忍者君,HMDさん,SOさん, MZさん,ありがとうございました。

そして,まだ赤岳主稜に行ったことがないみなさん。

ぜひ,一緒に行きましょう。