大雪山縦走 十勝岳(2077㍍)美瑛岳(びえいだけ)(2052㍍)旭岳(2291㍍)トムラウシ山(2141㍍)

2009年6月29日(月)~7月5日(日)

大雪山縦走 十勝岳(2077㍍)美瑛岳(びえいだけ)(2052㍍)旭岳(2291㍍)トムラウシ山(2141㍍)
N藤 原D (会友)S郷夫妻

6月29日(月)静岡空港から新千歳空港へ。静岡空港の建設に反対でも出来てしまえば利用する。
林道と同じ。
レンタカーで十勝岳の麓、美瑛町吹上温泉の宿に入った。

30日(火)曇り、雨、霧、強風、晴れ
5時30分、予定していた十勝岳への三段山経由は宿の主人のアドバイスで変更し、昭和噴火口コースを取った。
噴煙上がる火山の緩やかな登山道は、不毛地帯。富士山に登っているようだ。
富良野、美瑛の盆地の遠望を楽しみながら、また、ゆっくりだから、何の疲れも感じなかった。
気温10度。
稜線に8時着。雨がぱらぱらときた。
合羽を着て、唯一の急登を難なく登り、8時50分頂上着。なんとなく物足りなく、美瑛岳を回ることにした。変化に富んだ縦走路で、美瑛岳に近づくにつれ、お花畑にお花いっぱい。
写真を撮ろうにも被写体が風に激しく揺れ、うまく撮れない。11時15分頂上着。
下山は雪渓をいくつか渡り、14時40分、麓に戻り温泉で汗を流した。
レンタカーを旭川市で返却し、駅前のホテルに泊まった。

7月1日(火)5時、雨の中をタクシーで旭岳登山口に向かった。
キタキツネの親子も迎えてくれた。走るほどに晴れてきた。6時のゴンドラは強風で運転見合わせ。
7時運転開始。歩き始めは姿見から。幾すじかの噴煙が昇り、遠くに旭川市を眺めながら2時間、旭岳頂上9時15分着。薄霧の中、すぐ間宮岳目指し雪渓を下ったが先行パーティが立ち往生、道がわからない。つられて我々も右往左往。濃霧となり何も見えないがたまに霧が晴れ、ルートファインデング。引き返し、時間をロスし、正常ルートに戻った。

分岐の間宮岳で、S郷さん夫妻と別れた。S郷さん夫妻の予定は北鎮岳経由黒岳、層雲峡泊だ。
霧雨となって何も見えないので私とN藤さんは予定を変更した。
北海岳を12時通過、白雲岳非難小屋に向かった。
相変わらず可憐な花がいっぱい。いちいち書いたらきりがない。ウルップソウ、コザクラ、チングルマ、キバナシオガマ・・・。8月末には雪が来ることもあるという短い夏。花も急ぐ。
予想以上に雪が多い。ルートをはずさないよう慎重に雪渓を横切った。
雪渓に大きな穴があり、見るとここで水を得るようになっている。
すぐ白雲岳非難小屋だった。13時30分着。利用料千円。
小屋番の説明があり、あまり朝早く出かけないこと(熊と出くわす)、熊よけ鈴はつけること、トイレ紙は持ち帰ることなど。
大きな器械を持っている人たちがいた。尋ねるとNHK取材班だった。7月25日夜9時放送。
この夜は酒と餅いりラーメン。寒くない。18時頃寝た。

2日(水)薄曇り。北海道の夜明けは、本州よりも早い。支度をして5時30半出発。
遠くに王冠の形をしたトムラウシが見える。本日の行程はそこを越える長丁場だ。
この辺は登山道にあまり起伏がないので飛ばしに飛ばした。
N藤さんが興奮剤を私に飲ませたので馬車馬の様に。
両側に相変わらずきれいなお花。熊に気を使い、百円ショップの鈴三個、良く鳴る。
小さなあるいは大きな雪渓は慎重に。薮、這い松で道が覆われている。遠くの山は霧で見えない。
所々木道。諸手に花。ここは山のまほろば。カムイの住むところ。
やがて忠別岳、五色岳、大きく曲がって、スマートな化雲(かうん)岳11時30分。旭岳、忠別岳が見える。晴天の下昼食。ここから下りきって左にひさご沼避難小屋からの道が来て、トムラウシ山塊に入った。
急登で大きな石だらけ。所々沼があり、雪と相まってきれいだ。かなり疲れた。
あと2時間半、何とかがんばらねば。
石と這い松の日本庭園と称するところは、北アの雲の平に似ている。全く歩きにくい。
靴に変に力がかかりはぜてきた。何とか麓までもってくれと願った。

14時5分、ピークを越えると最後の沼、北沼が見え、その向こうにトムラウシ山ががんとそびえていた。
少し休んでから最後の登りに入った。きつい。息を整え、ぐんぐん高度を稼ぐ。石の間にお花もいっぱい。主にキバナシャクナゲだ。頂上と思われたところを大きく回りこみ、ようやく頂上の三角点に到着した。14時50分。予定が15時だからいい時間だ。この山の特徴である冠のいくつかの角の部分は石が積まれた三角錐だ。

事前にタクシー会社に教わったとおりケータイで明日の予約をした。ここは通じる。
しばし眺めいって、下山。下の南沼でテント泊。上の雪渓から雪解け水ががんがん流れ、いいテント場だ。このあたり、ナキウサギの生息地ということだがシマリスばかり姿を現す。
夕食は残りの酒とまたラーメンだ。疲れてアルファ米は食べる気がしない。18時頃日も傾いてテントに入った。しばらくすると雨がテントを叩いた。

3日(木)雨は夜っぴて降ったがテントを畳む頃弱まった。
ぐしゃぐしゃに濡れたテントをザックに押し込み6時出発。天気は回復してきた。
高度1700㍍くらい、三つ目位の急な雪渓のところで下から上がってきたピストン組みと会った。
金曜日なので次から次に上がってくる。朝4時に下の駐車場からだと。
谷筋の道が廃道となり、ピークへの登りが15分くらいあった。このあたり晴天で暑い。
あとはなだらかないい道を一路駐車場を目指し下山。
日陰に入るととても涼しくいい風がほんとに心地よい。短縮登山口に9時40分着。
11時にタクシーを呼んであるのでザックからテントを出し日干しした。晴天なのですぐ乾いた。

タクシーはトムラウシ温泉に寄り、いい温泉で汗を流し、根室本線新得駅に向かった。駅前で昼食。
生ビールがうまい。汽車(ディーゼル)は一両、狩勝峠を越え、富良野駅へ。
ここでS郷さん夫妻と落ち合い、駅前に宿をとった。

4日(土)晴れ 富良野見物。
くるるバスでプリンスホテル花園、富田ファームなどを見物した。倉本聡が新刊サイン会をやっていた。15時30分、札幌に向け高速バス乗車。18時30分、札幌着。すすき野の宿を出て周辺を山歩きと同じくらい散策、190万都市らしい繁華街を楽しんだ。

5日(日)新千歳空港でタイミングよく花畑牧場生キャラメルが買えた。高いよ、義剛さん。
9時40分発、静岡空港に11時30分無事到着した。今回は、行きの飛行機運賃は開港記念で1万円、帰りは定額給付金キャンペーン1万2千円を利用して格安運賃で行くことができた。花、花、花の満足の山旅だった。
余談だが行きも帰りも飛行機が離陸すると歓声(?)があがるのはなぜか面白い。

投稿者・原D