何故か?残雪の塩見岳へ

今年のGWは、剱岳の八ツ峰へ!連休中の天気も良さそうだし、ほぼ100%そう思っていたのでしたが・・・何故か、塩見に予定変更!?
その理由は、急激な気温上昇で、室堂や剱周辺では雪庇の崩壊や表層雪崩が多発していること。 雪崩による死亡事故もあったことも受け、トコロ会長の苦肉の判断で剱行きを断念したのでありました。まあ山は逃げない。またチャンスは訪れるでしょう!
・・・ということで、急きょ目的地を「塩見岳」に決め、トコロ会長とリュウ、私モリッシーの3人で行ってきました。


朝8時に静岡を出発するも、さすがGW!あちこち道が渋滞し、登山口となる長野県大鹿村の「鳥倉林道ゲート」へ、13時前には着く予定が、結局到着したのが14時半・・・
30台くらい停められるというゲート前の駐車場はご覧のとおり。これでも混んでるほうなのかな?


ここから今日の目的地の「三伏峠小屋」までは標準タイムだと4時間近くかかるから、日没ぎりぎりに何とか辿り着けそうな感じ?ゲートを越えて、先ずは舗装された林道をぼちぼち歩いて行きます。


40分舗装道を歩いて鳥倉登山口に到着、ここから山歩きが始まる。


しばらく行くと、いやらしい残雪のトラバース道に・・・
腐れ雪なのでアイゼンは不要だが、滑ったらそのまま谷へ直行するのでピッケルを出す。


ルンゼの通過は傾斜もきつく特に恐ろしい・・・トレースを外さないよう慎重に通過するが、なんか右足ばっか疲れる~


ようやく塩見が見えてきた。


そして・・・18時前に「三伏峠小屋」に無事到着。標高にして1千m弱登ってきました。


先ずやることは寝床の確保ですね。あたりが暗くなる前にテント設営。
中に入って落ち着けば、やっぱりお酒で乾杯。飲み始めが19時を過ぎていたので、既に寝てるパーティーもあろうからと、宴もほどほどに?20時過ぎには消灯。
4人用テントに3人なのでファミリーキャンプ並みに快適でした。

翌朝・・・

4時半に目覚ましが鳴り、まだ眠たいが仕方なく起きる。


ほとんどのパーティーは既に出発しているようで、小屋の周りはものけの空だった。
剱に行けなかった後遺症なのか・・・?私達、あまり気合が入らずダラダラ準備し、5時半過ぎに塩見岳のピークを目指して出発。


三伏山のピークからの眺め。正面右には塩見岳、その左奥は白峰三山。やや薄曇りだが、まずまずの天気。


2つ目の小ピーク本谷山を過ぎ、シラビソの樹林帯を抜けると・・・


視界が開け、青空に!・・・テンショーンア~ップ。 \(^o^)/


でもって展望が良いと、ついついだらりと一服してしまいます。


ここから、いよいよ本峰の稜線歩きの始まり。

塩見の肩のようなところ。白銀がまぶしいー



















その肩のところには、塩見小屋が雪に埋もれていた。

天狗岩は通常巻くみたいですが、せっかくなので天狗岩の岩稜をよじ登る。

天狗岩からピークを見上げる。こうして見ると、なかなか立ってますな~

天狗岩から悪沢岳バックにリュウをパチリ。

ここから、ピッケル&アイゼン効かせて、ガシガシ慎重に登っていきます。


そして、無事山頂(西峰)へ到着。
標高は西峰が3,047 m、向こうの東峰が3,052 mで東峰のほうが高いのに、何故か?三角点は西峰にあるんですよね~って、知ってた?

少し休憩後、空身でお隣の東峰へも行ってみることに。

東峰からの眺めは、360°のパノラマです。
仙塩尾根の先には、間ノ岳と農鳥岳。静岡県の最北端、先っちょのあたりですね。


他に誰もいないので、全員揃ってセルフでハイチーズ。

蝙蝠岳のなだらかな稜線。

下方には、悪沢岳の方向に伸びるクラシックルートの北俣尾根。
昨年夏、北俣尾根を登る計画をしたものの、足を骨折して行けずじまいになっているルートだ。

リュウは、塩見の北陵バットレスのほうが気になっている様子。


景色も堪能したし、登ってきたところを下ります。

本谷山のピークから、振り返って塩見岳。今年はやっぱり雪が多いのかな?


最後のピーク三伏山まで戻ってきました。なだらかな登り返しも、いや~キツイこと!ここを越えれば、三伏峠小屋も直ぐそこです。
14時前に三伏峠小屋へ戻り、あまりのんびりもしていられないので、テントを直ぐ撤収し下山準備。

しかし、標高2,600mのこの雪の中をチャリを担いで来るツワモノがいるとは、でも一体どこを走るのかな?・・・

登ってきた鳥倉ルートで下山します。再びこわーいトラバース道突入。今回の山行で私一番怖かったところかも・・・

トラバース道も何とか越え、登山道の入口、いや出口へ。
さらに40分程だらだら歩いてゲートがある林道駐車場へ17時に無事到着。
いやはや、お気楽気分で行った塩見岳でしたが、なかなかのハードな山行でちかれた~。
帰りは大鹿村の鹿塩温泉に寄って汗を流し、6時間もかけて静岡へと帰りました。

剱他、北アルプスで滑落や雪崩による死亡事故が多発した今年のGW。
剱へ行けたかもしれないし、運次第と言えばそれまでですが・・・
なかなか考えさせられた今回の山行でした。

                       (by もりっしー)