2009年12月6日　赤岳西壁主稜

翌朝、隣のテントの方達が３時半頃起き始めたので、自分も起きてしまいました。
昨晩は意外と寝れたような？気がします。
朝食を食べ、テルモスにお湯を入れて着替えてハーネスを付ければ準備万端！
行者小屋にこれだけ沢山のテントが張ってあるので、主稜も混むだろうと予想して一番に出発しました。
文三郎道の急登をゆっくりと登り、阿弥陀方面に目をやれば、朝日を浴びる阿弥陀岳の上に
真ん丸のお月様が。
素晴らしい景色ですね。

文三郎道から別れて、主稜取り付きを目指します。
昨晩の雪でトレースが消えてしまったので、自分達がトレースを付けます。
取り付きまでも慎重にゆっくりと歩きました。ザイルの準備をして１ピッチ目のチョックストーン！
三月に来た時はチョックストーンが埋まるぐらい雪がありましたが、まだ十二月はチョックストーンが
埋もれておらず、下からも潜れそうです。しかし！それじゃあ面白くないので、チョックストーンを
上から乗り越すことにしました。
何だかアクロバティックなムーブになってしまいました。

２ピッチ目は５０ｍザイル一杯まで伸ばして、岩角でビレイしました。
それにしても何というこの風の強さ！雪煙が吹き上がり、目も開けていられません。

自分が３ピッチ登ったので、ここでＴさんにバトンタッチ。
Ｔさんは久しぶりのリードでかなりいっぱい、いっぱいだったようでした。

５ピッチ目を登りきれば上部壁の核心です。

上部壁の核心をＴさんに登ってもらおうと思ったら、「交替して～」と弱気な発言！
さすがbiku biku boys最年長！と言うことで、三人の中で一番若いＧさんにリードを任せました。
それにしてもＧさん、何故難しい方から登るの？

７ピッチ目のちょっとしたチムニー。ここを抜けるのがちょっといやらしい！
体が挟まってしまって動きづらいんですよね～

下を見ればなかなかの高度感！まさにアルパイン！

最後のピッチまでＧさんにリードをお願いしようと思ったら、「交替してください！」との事。
しょうがないので最後の２ピッチを自分がリードしました。

そして待ちに待った山頂～！久しぶりに浴びる日差しが暖かい！！
主稜って日が当たらないのが難点ですよね。
Ｔさんは２回目ですが、やっぱりリードをした充実感からか「涙が出そうだよ～」と言っていました。
Ｇさんも充実感満点で山頂で「ウォ～！！！」と雄叫びを上げていました。

昨日と打って変わって、今日は本当に良い天気！雲一つ無い最高の天気になりました。
やっぱりこう言う日にクライミングしないと！

山頂で記念撮影。阿弥陀岳をバックにＧさんとＴさん。

そしてＧさんと自分です。Ｇさんと自分の服がそっくり？
そうです。燃えるような赤を自分達のチームカラーにしました。
Ｔさんも早く赤色のジャケットにしないとですね～

一般道で下山していると、この日に赤岳を登りに来た会の仲間に会いました。
三月に自分達を上げてくれたＦさん夫妻、Ｋさんらと少しの間、談笑して行者小屋に
無事到着しました。緑色のテントはぜ～んぶエスパースです。
自分達の黄色のアライテントが寂しげですね。
テントを撤収して、赤岳山荘で肉うどんを食べ、温泉に入って帰途に付きました。

阿弥陀北稜は自分が全てリードしましたが、赤岳主稜はみんなでリードし登りました。
やっぱりリードで登らないと充実感が全然違いますね。
徐々に三人とも技術をレベルアップして、登る岩壁もレベルアップしていくようにしたいです。
次回はどこに行こうかな～そろそろ藪山が恋しくなってきました。
さてさて次回は何処に？

投稿者・トシゾー