北岳バットレス4尾根クライミング

真面目なルート報告
2011年9月10日から11日にかけて、名誉会長とトコロでバットレスに行ってきました。今回は、枯れ木テラス崩壊後の様子を確認し、今後の講習に使えるかの判断をするのが目的でした。別パーティの報告もありますが、ルート状況について報告します。
アプローチは8月末の台風により大樺沢からではなく、お池小屋経由とし二俣の岩小屋ビバークとした。その後、9月末の台風15号によってもっとひどくなっていると考えられます。
4尾根と取り付きまでは雨による地形の変化は多少ありますが、問題はありません。また、マッチ箱の懸垂までルートは従来とかわらず全く問題ありません。
懸垂後、通常は枯れ木テラスをめざしますがここはもちろん失われています。1枚目の写真は懸垂後最初のピッチの途中から崩壊場所を写したものです。

Cがリー側に崩壊しています。従来通り1ピッチ登りビレイポイントで切りました。4尾根はあちこちにハーケンがうたれていますが、今回は右側のカンテ沿いに進みました。すると崩壊によってリッジ状になった岩に手をかけて、左へのトラバースにかわります。崩壊面はすっぱりと切れ落ちています。

2枚目の写真の右矢印の所に深く亀裂が入っています。右からのトラバースの途中には新しいハーケンが打たれていました。リッジに手をかけると、内側にえぐれるように崩壊しているためいい気分がしません。。トラバースはどっこいしょと割れ目を超えると丸印のあたりのDガリー奥壁のピレイポイントになります。崩壊はDガリー奥壁最終ピッチのチムニーで右のCガリー側へ落ちています。また、先の割れ目の深さから、次の崩壊はここを境にして右側が落ちると思われます。さらに長いスパンで考えると、マッチ箱も崩壊して行くと思われます。
Dガリー奥壁は左側の垂壁を登るルートもあります。その手前、写真の左の矢印のチムニー状に目印のような赤いハーケンが打たれていました。トシゾー氏が打ったと言ってました。ここを登ることは可能です。我々は、予定通りに垂壁をさらに左へトラバースし、ハイマツを漕いで稜線に抜けましたが、こっちはしんどい。
全体としてマッチ箱以降のピッチはそのうち崩壊すると思いますので、講習には使えないというのが結論です。4尾根に入り抜けることは可能ですが、勧められる状態ではないので注意が必要です。(トコロ)

この割れ目が、恐ろしいぞ・・・