(7/19~20)クライミング教室「小同心クラック」

2015年のアルパインクライミング教室もいよいよ最後、横岳西壁「小同心クラック」です。
日程の方はコーチと講習生の都合で、3グループに分かれて行われることになりました。


今回(7月19~20日)は、その1グループめ。
OZWさん、HTさん2名のコーチに、講習生はHSGさんと私(M下)、計4人のパーティです。

▲いつもより遅めの7時半に静岡を出発。
台風一過で天気は晴れ。一見山日和ですが、富士山には傘雲かかってたんですよね~。
予報では、八ヶ岳は「晴れのち夕方から雨降り」との事でしたので、今日のキャンプ地「赤岳鉱泉」に着くまで何とか降らないで~と天に祈ります。

▲10時すぎに美濃戸口到着。
いや~さすが3連休の中日、駐車場はすでに満車。駐車場からだいぶ下った道の路肩に車を停めて出発。

▲歩き始めて1時間半後・・・
美濃戸山荘を越えたあたりから雲行きがだんだん怪しくなり、願い叶わず早くも雨が降り出した。
皆、急いでカッパを着こみ、ずぶ濡れになりながら「赤岳鉱泉」に着いたのは13時頃でした。

▲全員でまずやることは、寝床確保ですね。
雨降りのテント設営は気が滅入るのですが、大勢いると案外楽しいものです。
各自テント内にマットを敷いて寝床を無事確保すれば、次やる事といったら飲むしかないでしょう!

じつは今回、「ザックの荷物を軽量化する」という理由?で、OZWさんから「夕飯は小屋を利用。夕食代2,000円どうでしょう?」という事前連絡をもらっていた。
「にせんえん・・・山小屋価格だなー」と内心思いつつも了解し、予約をお願いしていたが、出てきたもの見てビックリ!

▲じゃ~んこちら、リゾートホテルではなく、山小屋でこのメニュー!
テント泊でも食事を用意してくれる小屋ってなかなか無いと思いますよ。絶対夕飯おススメ!
それに外は雨降りだったので、尚良かった。

うまい肉を食い、満腹になって幸せな気分で、シュラフに潜り込むことができました。
OZWさん、あざ~っす。

さて、

▲翌朝・・・
山側はガスガス、下界は青空が見えてますが、また午後から崩れるという予報・・・

今日一日どうなりますやら?

▲各自支度を済ませて5時過ぎに出発。一般道からロープを越えて、大同心沢を登るルートに入ります。

▲大同心の基部へ向かう急登の尾根を登るご一行。雨あがりなので結構滑ります。

▲ガスで覆われた大同心が見えてきました。

▲そして小同心、こちらもガスの中。しかし・・・なんか幻想的です。

▲大同心の基部より上を見上げる。2パーティーが取り付いていました。

▲大同心基部から小同心へ向かうトラバース道。ここはちょっと怖いところがあります。

▲小同心基部へ向かう草付より、振り返って大同心。

草付を登れば、小同心の取付基部に到着します。
既に先行パーティーが取り付いていましたが、1パーティーのみで待ちはありませんでした。

予定通り、コーチのHTさんリードにセカンドHSGさん組。そして私リードに、コーチのOZWさんセカンドで、クライムオン。

▲トップバッターは私。岩はやはり濡れてヌメッてます。
登り始めはピナクルにシュリンゲ巻いてランニング、その上にハーケンがありました。
1P目の終了点のペツルのハンガーは、一番左のボルトが緩んでいました。
▲リードのHTさんも登ってきました。

▲セカンドのHSGさん。狭いチムニーを登っているところ。
▲ガスが切れてきて、素晴らしい景色が広がった。
本チャンの醍醐味は、何といっても、このゾクゾクする高度感じゃ~ないでしょうか?

▲2P目。残置ハーケン、ペツルのボルトも見つけて特に問題ありませんでした。
この先のチムニーを抜け、小ハングを乗り越えると終了点のテラスがあります。
▲チムニー(クラック?)を抜けるリードのHTさん。
▲3P目、コンテで行けたかもしれませんが、ほんのわずかです。
ここを越えれば「小同心の頭」に到着。
でも油断はできない。ここでOZWさんをビレイ中、テンションかかりびっくり!岩が剥がれたとの事。
易しいと言っても、何が起こるかわからないのが本チャンルートですね。

▲横岳山頂バックに、OZWさんをパチリ。
▲今度はOZWさんが「小同心の頭」に立つ私をパチリ。
念願だった「小同心クラック」を、全ピッチリードで登らさせていただきました。

▲山頂は大勢の人。
ここから横岳山頂直下まではコンテ歩き、そして山頂までは、Ⅲ級レベルの岩登りとなります。
さっきのような岩ポロリも無いとは限らないので、油断は禁物です。

そして、無事山頂へ!!OZWさんとガッチリ握手。
やっぱり本チャンは「山に登ったー」という充実感、達成感がありますね。

HTさんHSGさんのパーティーを山頂で待っていると・・・・

▲観音さまが・・・現れた!?
▲いやいや、HTさんが現れました。眼下に見えるのが小同心。
一瞬ですが、ブロッケン現象を拝むことができました。
▲全員無事揃ったところで、ハイチーズ。お疲れ様でした。
▲気が付けばガスは消えて、上空は夏の空。
▲予定通り、硫黄岳経由のルートで下山します。
この日、東海、関東・甲信越は梅雨明けとなったそうな・・・いよいよ夏本番です。

▲下部に大同心稜。
大同心ルンゼを下降する案もありましたが、濡れているので危険・・・ということで却下されました。

▲足元のコマクサの群生は満開でした。
▲チシマギキョウに・・・
▲タカネツメクサ。

▲これぞ、巨大キノコ雲!?

▲硫黄岳の巨大な火口壁。

▲遠方を見つめる、怪しげなおじさん。


▲見ているのはこの景色。手前のカップルがなんか微笑ましい。
若くて可愛らしい山ガールさんに挨拶されて、おじさん達もニコニコ顔。
風はさわやか、暑くも無く寒くも無く、そんなに混んでいる訳でもなく、気持ちの良い稜線歩きでした。
▲11時過ぎに無事「赤岳鉱泉」に戻ってきました。
濡れていたテントも十分乾いたし、次のグループもまた使うので綺麗にたたんで撤収。
山は晴天に限ります。

▲小屋から見る大同心と小同心。午後はやはりガスってきた。


▲小屋を出発すると、また小雨がポツポツし始めたので足早に下山。

▲下山途中、カモシカにも遭遇。
お陰様で、帰りは雨に降られず済みましたが、赤岳山荘や美濃戸口は、とにかくアブがうっとおしかった。
14時に美濃戸口の駐車場に着き、途中小淵沢の温泉で汗を流し静岡へ帰りました。

2グループ、3グループの講習生の皆さん、「小同心クラック」楽しんできてくださいね。

                 2015アルパインクライミング講習生 M下より