4月1日、今回の旅を企画したトシゾーさんから山行計画書が届いた。今年のゴールデンウィークは鳥取・島根の岩場を登り最終日に大山に登るという内容だった。一瞬、これがエイプリルフールの冗談だったらどうしようという不安がなくもなかったがその疑念を払拭し添付してあるファイルを開いた。
5月2日、日中降り続いた大雨は、出発の夕方には止んだ。5人分のクライミングギアとキャンプ道具を車に詰め込み、大型連休とあって移動する車が多い中、順調に西へと車を進めた。途中休憩を挟みながら走り、朝7時には最初の目的地である鳥取県長尾鼻の岩場に到着した。
岩場につくと各々お目当てのルートに取りつく。私は長尾鼻ストーリとサンセットメモリーの2本を登った。サンセットメモリーはやさしめの三ツ星ルート。終了点付近はピン間が離れていて最後に乗り込むところが少し怖い。親切にもトポには小さいカムがあると安心と書いてあるのにも関わらず適当に0.5番から2番までカムを持って上がったが1本もサイズが合うものがなかった。結局、怖い怖いと騒ぎながらもカムは使わずに慎重にホールドを探しながらトップアウトした。
▲サンセットメモリー5.10a★★★をフラッシュ
▲無名ルートを登るQさん(右)と長尾鼻ストーリを登る私(左)
▲ハングマン5.10cを登るモリッシーさん
▲サイボーグMMH★★★をRPするトシゾーさん
▲サメ 5.11bに何度もトライするイデッチ
▲長尾鼻の岩場で記念撮影
この日のクライミングは午前中で終了、といっても朝の7時から登っているものだからそれなりに満足した。午後は休憩や観光、買い物を楽しみつつ宿泊地の桂島キャンプ地へと向かった。
▲観光の目的地 李白酒造で日本酒の試飲&滞在中のお酒を調達
▲李白酒造前で記念撮影 この中で飲んでいないのは誰でしょう?
▲宿泊地は桂島キャンプ場 人工の橋を歩いて島へと渡る
2日目、朝食を済ませキャンプ地を出発。島根半島の地合エリアという岩場に向かった。ここの岩場へ行くには路肩に車を停め海岸伝いを歩く。初めは砂利道だった海岸線は徐々に岩石海岸となり途中には岩がせり出しロープを出す場面もあった。
時間にして40分程度、距離にして1㎞ちょっと歩くと目の前に一枚の岩壁が現れた。砂利と岩が続くアプローチは平行移動とはいえ歩き易いとは言えず、まあまあの労力を要した。いや、平行だからこそなんだか面倒くさい。ここにボルトを打った人は、一体どんな思いでこの場所まで来て登ろうと考えたのだろうか。その疑問をトシゾーさんに投げかけると「そこに壁があるからではないか。」と、どこかで聞いたことのあるような返事が返ってきた。
▲遠くに見える三角の壁が目的地の地合の岩場
▲長い海岸線を歩いた先に一枚の岩壁が現れる
このエリアは一番簡単なルートがイレブン。トシゾーさんとイデッチにリードを任せ、ほかのメンバーはトップロープで登った。
▲ トシゾーさん ブルーライン 5.11cをオンサイト
▲爆チャビー★★★ 5.11bにトライ中のイデッチ(右)とブルーラインを登るQさん(左)
午後は魚瀬エリアという岩場に移動した。車を降りてから舗装された階段を下り5分で岩場に到着するというのが嬉しい。まずは簡単なルートを、ということで5.9のルートに取りついたが、思いのほか難しく、というか迷子になり結局テンションしてしまった。気を取り直して海側にある気持ちの良いルートを登った。
▲魚瀬の岩場の上部から 車道を降りるとすぐに岩場がある
▲無名ルート5.9 スリップしつつも核心を越えたが、上部で迷子になる
▲ハーグリーブズ5.10cを登るモリッシーさん
▲ハーグリーブズ5.10cを登るトシゾーさん(左)とノーマルルート5.10aを登る私(右)
2日目の夕方、キャンプ地に戻り、夕日が沈む時刻になると島の反対側へ出て、ビールを片手に夕日を眺めた。海に沈む夕日は、噂通り心に染みる美しさだった。太陽が沈み、周囲の空が赤から柔らかな紫色へと変わると、テント場に戻り、買ってあった島根の地酒に手を付けた。
▲ビールを片手に 今日もお疲れ様~
▲日本海に沈む夕日 儚さと穏やかさが心に染みてくる
▲松江市にある王碌酒造の「超王碌」すべての商品が限定生産なんだとか
▲今やクライミングキャンプの定番となった「焼きとんがりコーンのフルーツチーズ添え」
(続) by Iku