強風の白馬主稜スピード登山

5月4日5日で白馬主稜に行ってきました。

4日 静岡を9時30分に出て、猿倉の駐車場へ。ここから90分の歩行で白馬尻。途中2か所、林道歩きで渡渉がありました。ここで、テント泊
5日 5:00白馬尻テント場発・・・10:30白馬岳山頂・・・12:00テント場着

天気予報を見て計画を二転三転させたのち、この二日間に決めました。4日焼津を出てRyu君のお家で合流、即出発。ところが運転手が静岡市内・県内で道を何度も間違え、出発に手間取った。第2東名の新静岡ICから乗ったのに、清水JCにはいって東名清水IC方向に走ってしまう、という見事な間違いまでしでかしたのであった。とはいえ、車は白馬岳の入口・猿倉の駐車場へ。ここから林道を歩いて、白馬尻へ。ここには、小屋があるはずであったが、ない!雪渓入口まで進み小屋に気が付かなかったことを気が付いた。まぁ、ここが白馬尻に間違いないので、テントを張った。この日は、低気圧が通り過ぎて天気は回復したが、風がつよかった。

5日、3:30起床、4時出発。ところが朝目覚めたら、風がやたらと強い。こんなに強い風ではやめようということになった。シュラフの中ですることもないので起きて外に出た。風は強いが歩けなくはない。ここまで来て何もしないは癪に障るので、主稜の稜線までは行くことにして、準備。5時出発。
2時間登りネットで見た写真と同じところについた。強風に降りようかと思っていたら、3人組が先に見えた。まぁ、先行がいるならトレースもずっとあるし行きますか、ということで付和雷同的に続行。
Ryu君が先行すると、さすが20代、速い。かくして、我々は強風とリッジにビビりながらひたすら登ったのでした。晴れの予報にかかわらず白馬岳山頂付近は雲の中。風が全国的に強いでしょう、という予報通りの風。目出帽を忘れた私は雨具のフードだけ。冬と違って、気温が高いので助かりました。
山頂方面ホワイトアウトの中、小蓮華岳方面を見るとぐんぐん主稜線に近づいていくのがわかる。前を行くRyu君が「先行に追いつきましたよ」という。「岩のところでザイルを出して上がっているところです」よく見ると黒い影が動いている。ということはもう最後の雪壁で、終われば主稜線。ここで寒さに備えて服を着こんだ。準備をして先行組のラストの横についた。彼女が出たら、少し後ろをスノーバー2本をぶら下げてあがった。どうということのない雪壁で階段状になっていた。ザイルが足りなくなったが、これなら落ちることはない、それにスノーバーはすごく利いている。ええいままよとばかりずんずん登って終了。50mザイルでちょっと短い。岩のピトンから55m位。
強風で寒くて仕方がないが、広い主稜線上で肩がらみでRyu君を確保。終わった!と思って時計を見たら10時30分、悪条件の中思った以上に速かった。これも先行パーティのトレースのおかげです。
あまりの強風にこんなところに長居は無用とさっさと下山しました。尻セードを使っての下山はこれまた速くて山頂から1時間半で戻ってしまった。

▼猿倉の駐車場で出発準備をするRyu君。重いものは僕が持ちますよ、と言ってくれた。えらい!○○ゾーの若いころとはまるっきり心がけが違う。

▲参考までにブログが始まったころの2009年北アルプス剣・チンネ左稜線の記録を読むと、私の主張に理解がいただけると思う。

▼目指す山頂とそこから伸びる白馬主稜。4日の写真、山頂が見える!

▼5日、強風だけど途中まで行きましょうということで出発。白馬主稜上に出るための登り

▼隣の尾根。風は写真に写らないので、こうみると良い天気。

▼Ryu君は快調です。若者はやはり速かった。寒い、寒いと言っていた。私は、そんなに寒いかよ、と思ったが決して暖かいわけではない。後の稜線は後立山の主稜線。右に小蓮華岳がある。後へ続く長い雪稜をひたすら登っていく途中の写真。

▼バカ寒かったのは、後立山の主稜線に出てから。雲の中での強風、ホワイトアウトで先が見えない。目出帽忘れて顔に当たる風が痛かった。
▲私が撮ったはずのRyu君の写真は、失敗で写っていなかった。肝心の山頂写真がなくてすみません。最後の雪壁はダブルアックス。ビンボーなRyu君はシングルアックス。半額セールだったら、彼もダブルアックスにできただろうに・・・。あの噂の青い手袋は強風下でアックスを持ちながら雪面を登ったらやたらと冷たくなった。厳しいときは、ちゃんとしたやつを使った方が身のためです。黄色の雨具の下には、アンダーダウンを着ている。行動中にこれを着たのは初めてだった。登攀直前着込んだ判断が素晴らしかった、などと自画自賛。
山頂付近はホワイトアウト。直下で私が先行し後を見たらRyu君がいない、うわ~、うわ~えらいこっちゃ!かみさんに恨まれる~、どうしよう、焦ってお~いお~いと叫んだ。叫んでも聞こえねぇよなこの風じゃあ、と変なところで冷静。そうしたら、両手を上げる彼の姿がガスの中に見えた。小走りで降りてくる。アイゼンが外れ直していたらしい。「見えなく
なって心配してると思って」慌てて降りてきた。

▼5日、下山してから同じ場所から写真を撮った。4日と違うのは山頂に雲!
▲Ryu君と私は山頂付近があの状態であるとわかっていたら、登らなかっただろう。下から見たら青空が出て稜線も見える、あのあたりの雲は晴れ予報なのでなくなっていくだろうなどと考え、且つは先行パーティに引っ張られて、登ってしまったのだった。ホントに白馬岳には雲がよく似合うよ、でも今年の冬は雲が似合わない聖岳東尾根に行こうか、などと帰りの車中で話した。

(トコロ)