前穂高(奥明神沢・ダイレクトルンゼ):後編

さて、この時期に前穂高に登るには重太郎新道はとても難しい。この時期のノーマルルートは奥明神沢を使います。この沢は前穂高岳と明神岳の間のコルに向かって後半やや右に曲がっています。この沢(雪渓)を2700m付近まで登ると、左俣が現れます。広い右俣はそのままコルに向かっていて、左俣はそのまま前穂高山頂に向かいます。この地点から前穂高山頂のルンゼを前穂高ダイレクトルンゼと呼びます。つまり、2700mで左俣に入ることを忘れなければ、迷うことはありません。但し、標高差800mの連続した雪渓なので滑落時に初期段階で止めなければ大変なことになります。

上の写真は昨日で、5/5は残念ながら霧の中でした。


高度を上げていきます。奥明神沢は、斜度はそれ程ありません。後ろ振り返るとこんな感じです。小屋6:40スタートです。


前方はこんな感じでダラダラと登ります。


上の写真は2700m地点で、そのまま道なり(右)に登ると前穂高と明神岳の間のコルにでます。左側の足が写っている方角へ登ると、前穂高山頂にそのままつきます。つまりダイレクトルンゼの始点です。8:24通過。


上の写真は、ダイレクトルンゼ内です。山頂に近づくに従い、かなり雪面は固くなり勾配は急になります。


ガスで景色は無くなってしまいました。風は意外にも少なく助かりました。
山頂手前では岩場を少し歩きます。

9:54に山頂に到着。全員(お友達夫婦とO澤さんと忍者君)揃って万歳です。さて、実は核心はこれからです。階段上になったかなり固い雪面を降りなければなりません。ダイレクトルンゼの始点まで400mの下りです。それからさらに、奥明神沢400mを下ります。
 
 ダイレクトルンゼ内の下りは、ほぼ足が横向きな体勢で右向いたり左向いたりして下ります。厳しい所はクライムダウンです。滑落すると止まりそうにないので緊張しました。もう集中あるのみです。


奥明神沢の下りに入ると、上の写真の様に勾配緩くひと安心ですが、長くてうんざり。岳沢小屋11:34着でした。デポした荷物を再パッキングして上高地へ下ります。・・また下りか・・トホホ。

上高地に着くと、予報より少し時間ずれましたが晴れになりました。右隅の前穂高先端が見えます。中央の奥穂高はまだガスの中。
帰りに五千尺ホテルの巨大チーズケーキと大カップのコーヒーを食す大贅沢をし、帰り道少し外れて乗鞍高原の温泉に浸かり、山賊焼きをたらふく食べてから静岡に帰還しました。長い長い一日でした。翌日、体重が1.5kgも減っており、5/6・7と休養していても何故か腹が良く減ります。今年のGWは、天候に恵まれませんでしたが、富士山と前穂高でそれなりに充実することができました。 南陵は時期をずらして、夏にでも行こうかと思います。
wrote by ninzyakun   
photo by  otomodatifusai and Osawa