トレランシューズの再考 その一

クライミングも同じく云える事だが、凡人の我々は適切な万能シューズを求める、
しかし万能シューズなどないはずだから、靴のせいにしてとっかえひっかえ悩む事になる。
悲しいかな・・・、
我々、凡人はこの現代の道具を頼りに、その選択によって登攀能力が決まることになる。

《まず歴史的な背景を紐解くことにしよう;》
欧米人の基本的な足は、安定した岩場や草原に生息してきた人種なので土踏まずが高くてトンネルのように向こう側が見える。
左右のブレが少なく分相応に発達した、中心軸が取れた甲高であり、梃子の原理が有効に発揮される《ばね足》だが、相反して典型的な日本人の足は湿地帯に生息してきた為に、左右のブレや旋回に強く、沼地のあおり足に適切なしゃもじ型の形態を辿ってきた。
足首のみならず、膝から下が6度ほど外形しO脚を呈しているのは、この為であるが、今の現代の舗装路をかっこよく歩く形態ではないのは致し方ない、遺伝子が環境学習より学びえた生き抜く術である。
ちなみに南方のアジアの民はどうなのかと言うと、柔らかな土壌や山岳に適した民族は足指が長くて下り坂などでは素足の指が蜘蛛のように開きブレーキを効かせることができる機能性を有している。

《欧米の技法に基づく通常の靴はすべからく我々の形態と一致し難い;》
求心性と遠心性の綱引き状態が拮抗した時にバランスが取れている事になるのだが、
歩行であれ・安定した立位の維持であれ、重力に適切な応力をもってして拮抗していることになる。 これは当然、接地面積や接地形状により優位的な項目が決定してしまうことになる。

例としては、欧米系のラスト(木型)を使用されたクライミングシューズは踵が余る・だぶつくことになるし、逆に言えば、踵からの梃子の力が爪先に発揮できないこととなる。

当然ながら、使用環境に応じた、有効なる活用方法が考案されないと、専門的なカテゴリーになればなるほど運動障害と言う局面が顔を覗かせ、そればかりか運動能力の低下が考えられることになる。 

(A)フリークライミングなら足底の中心軸線上に力が集約する訳だから力が集約されて行く伝導路として;
1、自分の踵の形態と靴のホールドカップ形態の類似性(アキレス腱の発達と関連する)
2、足底腱膜の強度と維持能力(応用負荷をかけて検証が可能)
3、中足骨構造体としての剛性とヨーイング(捩じれ応力)能力
4、足指帯の靭帯の強度と柔軟性(足指部は重要なセンサーでもある)
それらの機能性を補助し促進させてくれるには、問題はここである!
足に伝える力を考え、有効に使う為にはどうしたら可能なのか? 
それを靴の特性と共に考えなければならない。

その為には、まずを持ってしても足裏感覚と骨性3点支持が形成されないと、運動能力は乏しい!
それを知らねばならない。

(B)山岳耐久レース用・トレイル ランニング シューズ
50km以上の山岳耐久に使われているとYoshiki2に書き込んであったのだが・・・。
今回、購入使用した靴は;《414g》ノースフェイス製ラッキーチャッキー上代14,490円
メーカ提示項目;
軽量2重密度EVAミッドソール (X-Frame + TPUサポート・Northotic人間工学デザインフットベット) X-2衝撃吸収クッション、Thrust Chaassis、X-Dome、Snake Plate、テナシャスグリップ アウトソール、耐磨耗性シンセティック、ヌバックレザー、高通気性サンドウィッチメッシュ

ふ~ん説明書を一見すると、なになに・・・性能は爪先にドームあり・車台として組み込まれた進行性のシャーシ・爪先TPUサポートに捩じれ防止の機能/および突上げ防止の機能性の言葉が目に付く!
しかしながら、TPUはセンターのみで肝心要の引っかかりは、親指内側と少指外側へのダウンフォースの力には無力であるからガレ場では心許ない。
捩じれ捻転防止に役立つと思われた機能性も、逆に踵の細い人には機能が発揮できないのか、横滑りのぐらつきに感じられるので靴自体が捩じれていく感覚を覚える。

僕の走り方は股関節や骨盤で衝撃を吸収したいので四肢を張る。
親指まで蹴り込む走り方ではなく、どちらかと言うとピッチで跳ねていく。

爪先ドームも、2Size up選択も、靴下1cm厚を装着しても、効果のほどは???である。
時間短縮を目指して、青笹山下降ルートを飛び降りていくと、4kmの下降路トレランでタイムが20分縮まった。しかし爪先が上下に衝撃で動かされると、外側帯の2本づつ、計4本の爪が剥がれ落ちた。

走行ルートが、ガレ場あり・飛び降りる着地がある・障害物を飛び越える・岩の間を攀じ登る・等の要素が重なると単なるジョギングシューズになってしまう。 中足骨を全体で包み込むサポート能力はゆるい。ヒールサポートも感じにくい。ただ台形で安定感はあるが、一定の速度が増していくと・・・横滑りがある、靴自体には復元能力はないから、ちょっと心配かな。 メッシュは松の根っこなどに当りすぐ切れた。

率直な所感として初心者には台座系のソールは安定感を与えてはいるものの、この靴は、小石交じりのルートやクロカンなどの不安定なルート向きではないだろうか。 
岩場を飛び降りて行くルートには、適度なトウカップが相応しいと思えた。

奥山耀規
※内田一塾の皆様へ 過日はお世話になりました!