涸沢から奥穂・北穂、北穂東稜、前穂北尾根

2014年9月13・14・15日の3連休で涸沢で合宿しました。SN,KZM,END,NSG,TK、OON、事務局長、トコロが参加しました。
前泊で沢渡にテントを張り早朝3時に起こされて、仕方なく眠い中出発準備をしました。秋の3連休、夏の天候不順で客が多い。タクシーの運転手は「いつものお盆並みの混雑」と言っていた。
今回は上高地からパナラマルートで涸沢に入る。橋を渡って奥俣白谷へ入る。予定では荷物を背負ってのクライミングもあるわけだが、それにしてもSNさんの荷物は大きくて重そうだった。事務局長のザックも見たところでかい。いったい何を持ってきたのだろう・・・。
梓川を離れて奥俣白に入るとやがて傾斜がきつくなる。強いのは女性人二人、男性人は足がつるとか荷物が重くてへとへと、とかもうまるっきりへろへろになっている。で、歩いても歩いても目標のコルに届かない。私は「あれがコルだと思います」「今度こそコルです」「もうこれに間違いないよ、コルです」と言ったが、ことごとく外れた。コルのようなものを何度も越えた。ようやく涸沢に着いたが、ほんとにお疲れであった。
2日目は縦走組SN・END・事務局長・KZM・NSGがザイテンから奥穂へさらに北穂から南稜下山涸沢、クライミング組OON・TK・トコロが北穂東稜でした。南稜への一般道が北穂沢を離れるあたりで、道を外れる。今回、早めに外れてしまい沢の悪いところを登ってしまった。正しく外れると大きな岩がごろごろしたかわらのようなところを横切って、ルンゼを東稜へ向かってあがる。ルンゼには踏み跡がついているのでそれをたどる。すでに先行パーティする尾根に上がってしまいそうであった。
天気がよい中岩稜をたどっていく。どうということはない、一般道並みの尾根であった。あわてて歩くとすぐに終わってしまいそうなので、尾根伝いにじっくり歩いた。TKさんは昨日足が痙攣して苦労していたが本日は快調であった。OONさんもこれなら楽勝という感じで歩いていた。
いよいよ核心といわれる「ゴジラの背」の前のテラスに着いた。10人、3パーティほどが待っている。これは長いこと待つだろうなぁ、と思った。易しい初心者向けのルートなのでそういう感じの人が多い。待ちながら物を食べたり水を飲んだりおしゃべりしたりの時間が1時間くらいあった。
ゴジラの背は登るというよりトラバースである。1ピッチ進んで懸垂下降になった。順番が来るとあっさりと終わってしまった。ザイルを片付けていたら、後ろのパーティの人が「内容にしては時間だけかかった」と待ちが長かったことをぼやいていた。
北穂の小屋まで踏み跡をたどって終了した。北穂は滝谷の終わりでもある。しばらく滝谷見物をしたが、よく知らないのでどこがどういうルートかわからなかった。多分これがドーム中央稜であろうという程度であった。
下山中、奥穂から来たSNさんとであった。奥穂の一般道はひどい混みようで上がれそうもないので彼だけ北穂に来たのだという。そういえば東稜からのザイテンは人が行列になっていた。
ひたすら下山して、本日のノルマが終わった。

3日目、最終日。縦走組は上高地に下るだけなので余裕があるのに対して、クライミング組NSG・事務局長・トコロは本日が一番大変。下山組がテントを持ってくれるというので大助かりであった。5時30分、3人でまず5・6のコルを目指して出発した。コルまでは踏み跡があって順調であった。90分ほどでコルにつくとテントが一張りあった。奥俣白方面へ下山するらしい。事務局長は彼らがたくさんビールを担ぎ上げていることを感心していた。
5峰ののぼりに取り掛かる。5峰は踏み跡をたどる岩稜歩きで終わります。順調でした。
次が問題の4峰。ルート途中からはっきりしなくなるし岩が浮いていたり高度感も出てくる。どうしようかななぁ、と思案した結果右に入ってしまった。どうも前回登ったところとほぼ同じところを登った。ハーネスとザイルを用意することになった。後ろから来たガイドが「こちらは悪くて事故も多いですよ、巻くときは奥俣側にたいていルートがある」と教えてくれた。4峰は稜線通しで進む。一度間違えてがれをお利用としたら3峰に取り付いていたガイドが「そっちじゃないよ」と声をかけてくれた。ルートに戻ると踏み跡が出てきた。歩いて3・4のコルに下った。
3峰はザイルありのクライミングになる。前回の記憶ではあっさり順調に行ってしまったが、今回はなんとなく調子が出ない。後ろのことを考えて易しいところを探して進むとザイルが屈曲して重くなる。NSGさんは力いっぱい力んでのクライミングになっていて結構息があがってきていた。結局、ザイルでずっと引くことにした。3峰からは懸垂下降となった。
2峰1峰は区別がつかない感じで越していく。1峰までザイルを引くことになり時間を要した。14時過ぎに1峰、つまりは前穂に着いた。何はともあれ終了した。上高地で待つSNさんに下山は6時頃になる、という連絡をHRDさんが入れてくれた。
一息入れて、紀美子平に下り、ここで岳沢への重太郎新道と奥穂への吊尾根の銃走路に分かれる。重太郎新道は鎖ばかりの急な道だった。ほとほと飽きてくる頃、はしごが出てきてこれが終わる傾斜がゆるくなってくる。疲れた3人で無言のまま岳沢に下山した。一番後ろを歩いていたら前二人は小屋手前で近道をしたようだったが、気がつかず小屋まで行った。上高地まで1時間30分と書いてある、新鮮な案内を見たら私スイッチが入ってしまった。2時間かかると思ったら、1時間30分!うれしくなって一挙に下ってしまった。
上高地で二人が来るのを沢の岩魚を眺めながら待った。下ってきた二人と一緒に、上高地バス停でSNさんと18時前に合流した。(トコロ)