雲ノ平へ行ってきました。(1)

静岡労山50周年記念山行・雲ノ平山荘訪問

 今年は本会創立50周年の年です。静岡勤労者山岳会というのが正しい名前です。全国組織である日本勤労者山岳連盟が1960年創立ですから、その5年後に発足したわけです。そこで我々のルーツを求めて伊藤正一さんをその山荘に訪問してみようということになりました。もともとの行き先としては三俣山荘ですが、最近は夏の間雲ノ平山荘にヘリコプターであがっているとのことで、今回の山行となりました。いってみれば、黒部の源流に労山の源流を求めての山行です。

 静岡を8月21日(金)の朝出発。この日は折立のキャンプ場までの日程。はじめは3泊4日の予定でしたが、今回は雨モードで出発を1日延ばしました。
 22日6:15テントをたたんで出発。朝から雨模様です。

▲ガスがかかってぽつぽつ雨が降っている

太郎平小屋に10:30。長かった!ここからは薬師沢小屋まで下ります。
▲寒そうに見える事務局長。ここで休みながら、行動食をかじったが天気が悪いと休みづらい。
 午後になると回復し、明日と明後日は天気がよい、というのが天気予報の言い分。それを信じての出発であった。太郎平からは下りになる。よくしたもので、昼頃には明るくなることもあった。でもすっきりやむわけでもなかった。
▲笹が出てきて傾斜が緩くなるとカベッケヶ原になる。地図にもそのように書かれているが、この奇妙な名前は、伊藤正一さんの「黒部の山賊」によれば「カッパが化ける原」が訛ったものなのだそうだ。ちょっと、雲が薄くなって明るくなった。

▲薬師沢小屋に到着してくつろぐHRDさん、SMRさんとNSGさんの足

 薬師沢小屋は、狭いところに窮屈に建っている。中に入ると廊下の壁が傾いている。我々は予約なしで行ったが、週末は混むので予約してほしい、と小屋番は言っていた。

▲この日黒部川の様子。奥の廊下側をみる。雨模様なので水量はHRD・SMRさんが赤木沢に行った時より多い。水が茶色に着色していた。

▲17時から夕食。早くから動いたのでやっぱり腹が減る!
 飯が終わってしまうと、もうすることがない。この日は結局宿泊客が思ったよりも少なくて、広いスペースに移動して休むことになった。一つの布団に二人、なんてことにならなくてよかった。月曜下山の日程なので人は少なくなるはずで、その通りになった。
▼翌朝、いよいよ奥の廊下から祖父沢へ。準備するSMRさん。

▼一晩で大分水が引き穏やかになった奥の廊下を歩きます。
▼時々は渡渉します。カメラを構えている人は、そこで誰かひっくり返らないかなぁ、などと期待している!?本流は一番深いところでも腰より下でした。
 赤木沢出合の手前に岩魚止めの滝がある。ここは突破が難しかったので、右から巻きました。先行パーティの方が、岩魚を釣り上げていました。
▼赤木沢出合付近。ナイアガラの滝を渡りながら撮影。写真左側に赤木沢があります。

▼昨日とは異なり良い天気。黒部五郎が右の稜線に見える。

 右から五郎沢、左から祖母沢が流れ込み、その次がお目当の祖父沢。滝もなくて水際を上へ上へと登っていく。
▼SMRさん、HRDさんが祖父沢を登る。

▼熱くなったので、日陰で大休止。私は沢の水でお茶を飲みました。しかし、NSGは水に慎重でここの水飲めますか?と私に尋ねてくる。そんなことはわからないので、飲めば飲めるよと答えるのですが、たいていの場合すでに私は、飲んでしまっている。上流に小屋があると避けたほうが良い、本流ではなくて枝沢から水は取る、などと言われています。確かに、その通りですが、夏の暑~い日に水がなくなって突然沢に出ると、そんなことはどこかに飛んでしまっていることが多い。

▼歩き出したらあった。石が水流で回転して作った穴。

▼いよいよ沢も大詰め。細くなってきました。

▼いよいよ雲の平です。空がやたらと青くて、夏山!

▼着いた所にあったのがこれでした。私、さっきこの下流でガバガバ水を飲んじゃった。

 祖父沢は、雲の平のテント場から流れ始める。ここに幕を張ってNSGさんと私はテント泊です。HRD/SMR組は雲の平山荘泊です。