3月月末クライミング 「北八ヶ岳 稲子岳南壁」

2023/4/1~4/2、北八ヶ岳の稲子岳で、冬壁アルパインクライミングをしようということで新人4人とベテランの先輩2人で行ってきました。山に向かう道中も天気は快晴で、PAから八ヶ岳がバッチリみえてテンションが上がります。

1日目はまず唐沢鉱泉から黒百合ヒュッテへ。9時過ぎ出発。寒さはなく、登っていると暑くて汗をかきました。春のあたたかさで雪が解けたり凍ったり、登山道は一部つるつるで、チェーンスパイクを持ってきてよかったです。11時半に黒百合ヒュッテへ到着し、先輩方はテント泊、新人は小屋泊で荷物をデポします。

 

ここから軽い荷物で天狗岳へ。雪は腐り気味、完全に溶けている部分もあり、アイゼンを履かなくても行けました。

 

途中の「天狗の奥庭」の岩場をトシゾーさんが偵察してくれ、終了点のボルトが確認できました。アイゼントレーニングによさそう?

 

東天狗岳への登り途中に、明日登る稲子岳の岩壁がみえます。雪はあまりなさそう?にみえますが、楽しみです。

 

トラバース道を通って天狗岳の鞍部へ出ると、白い南八ヶ岳がみえました。冬の八ヶ岳は久しぶりに来ましたが、雪がまだ結構ついていて、やっぱりかっこいい。また南八ヶ岳にも登攀に来たいです。

 

14時、東天狗岳に登頂し、写真撮影。しばし休憩してから下山です。

 

 

私アリサと8束さんの女性チームは先に黒百合ヒュッテに向かいます。トシゾーさん、モリッシーさん、タッサン、ユウタの男性チームは明日の稲子岳への道を下見に行ってくれました。

15時半過ぎ、一足先に小屋に戻った私たちは、小屋の前にちょうどいい雪斜面があったので滑落停止の練習をしてみんなの帰りを待ちました。楽しかった。

黒百合ヒュッテの中は、1階が半分談話室、もう半分が食堂になっており、2階が寝泊まりする大部屋になっています。小屋の中はとてもあったかくて快適です。本棚もあり、山の本がたくさん。小屋で本を読んでのんびりするのも楽しいですね。8束さんは滝谷ドームの写真集を見つけて楽しんでいたようです。

小屋の夕ご飯はハンバーグ、高野豆腐、野沢菜漬けもおいしかった。デザートは抹茶もち。山で飲む味噌汁は体に沁みます。夕食後は小屋でプチ飲み会です。山やクライミングの話がゆっくりとでき、良い機会でした。

2日目は待望の稲子岳南壁左カンテルートです!天気は晴れ曇り。朝食を食べ、準備をして7時出発。中山峠から急な斜面をかなり下ります。アイゼン・ピッケルが必須。左にトラバースしてしばらく尾根を歩き、ピンクリボン3つがついた木を目印に右に下ります。岩場を左の方に歩いていくと1ピッチ目の取り付きにつきました。昨日、下見をしてもらったおかげでスムーズに到着できましたが、わかっていないと迷いそう。アプローチを調べて把握することが本当に大事だと思いました。

 

さて稲子岳南壁は全く雪がありません(^_^;)足元はアイゼン、手は素手の格好です。先行パーティはトシゾーさんリードで8束さん、タッサン。私たちはモリッシーさんにリードしてもらい、ユータ、アリサが続きます。他のパーティはだれもおらず貸切りです!1P目のスラブはアイゼンの爪を乗せる場所をよく見てクリアしました。

 

2P目は凹角からチムニーへの取り付き前まで行き、ピナクルで終了点を取りました。

 

3P目はチムニーを登ります。岩がもろく、先を登るユータから砂や細かな石が降ってきて、アルパインという感じがしました。

私たちの後ろ側には天狗岳が雲から見え隠れしており、荘厳です。

3P目はロープを伸ばし、ピナクルで終了点。トラバースを少し歩いてから4P目のビレイポイントへ。

 

4P目は左が苔コケした脆い岩、右はハーケンがあるフェイスの岩壁があります。モリッシーさんとユウタは左側から登りましたが、私はロープが右側にあって左からは登りにくかったので、フェイスを登りました。よく見れば爪をかけるところもあり、上の方は手もしっかりしていると感じました。

 

 

最後に5P目のクラックの左壁面を登ります。

 

みんなでわいわい楽しい雰囲気。

 

頂上にてみんなで記念撮影しました。稲子岳アルパイン、楽しかった!登った達成感があります。

岩がもろかったり、浮石が多かったりとフリークライミングよりリスクが多く、足や手を確認しつつ確実なムーブで安全に登ることが大事だと感じました。普段のクライミングでも確実性や精度を上げてレベルアップしたいと思います。

稲子岳からは樹林帯を下り、朝下りてきた中山峠への急坂を登ります。しんどかった。男性チームは昨日もここを登ったと思うと頭が下がります。黒百合ヒュッテに着き、お昼を食べます。せっかくなので名物のコケモモティーを優雅にいただきます。甘酸っぱいコケモモジャムが美味しかった。唐沢鉱泉への下山は、男性チームは駆け降りるような速さで、女性チームはのんびり楽しく下山しました。

2日間、いろんな体験ができて充実した楽しいときでした。一緒に登ってリードしていただき、先輩方に本当に感謝です。ありがとうございました。初アルパインが経験でき、自分たちに何ができるか、これからどんな山に登りたいかを考える良いきっかけになりました。これからもみんなで楽しくレベルアップしていきたいです。 アリサ