駐車場で会った、元気で若い女性3人組も南壁に入ると言う。「取り付きまでが分かんないですよネ~」と話しながら、中山峠への登山道を20分程歩き、踏み跡らしきものがあるような個所から右の林に入りました。その時点で女性組とは離れてしまう。樹林の間に見え隠れする南壁に向かって強引に林の中を進み、急登少しで大岩ガラガラの基部に出た。岩ナダレの巣窟の様で、今地震が来たらどうなっちゃうんだろう…。左のカンテを目指して大きく回り込み、目印テープのついた取り付きに着きました。暫くして女性組も上がって来て「此処までが核心だったね~」とお互いに苦笑。9:00 私達の方が、先に行かせてもらうことにする。
全5P。各ピッチともにビレイ点はリングボルト、少ない支点は、ハーケンや錆びたリングボルト。岩は硬く安定しているように見えるが、大きなものでもユラリと動くものがあり引っ張る訳にはゆかない。傾斜も緩く、おまけにガスが湧いてきたので高度感も感じることはなかったが、3P目のチムニーは湿っていて、短足で突っ張るのはぎりぎりの個所もあったので<やはりチビは不利ダ~>と思いますねぇ。
後続の女性組は、ロープ捌きも手慣れたもので賑やかに楽しく登ってきます。ピッチ毎にトップを代わって其々が自立したクライマーである様子がうかがえます。こんな頼もしい女衆をみていると本当に気持ちが良い。それに引き換え……我が身が……恥ずかしい。
11:00 終了 「こんなマイナーな岩場にどうして?」「誰も居ないと思った~」と終了点で写真を撮り合いながらの感想。私達は先に稲子岳の稜線に出た。砂礫の稜線には名残りのコマクサがちらほら、コゴメグサやジャコウソウ他の花もあり、天狗岳を見ながらゆっくり昼食をして、女性組の後に続いて中山峠への登山道に出ます。「どこから林の中に入るか、アプローチが核心だよね~」「来る度に迷いそうね~」「いちおうアルパインだから目印ないんだよね!」と私もお喋りの仲間に入り、地図を読みながら再度確認。彼女達がいたお陰で、楽しいclimbingとなりました。
Netで見つけた、安近短の稲子岳南壁左カンテ。one dayなんちゃってアルパインには、まず妥当な岩場でした。