人気上昇 軽快トレイルランニング

 土や岩場、枯れ葉など変化に富んだトレイルと呼ばれる未舗装の山道を走る「トレイルランニング(トレラン)」が人気上昇中だ。時間や順位を競うレースに加え、自然を楽しみながら体を鍛える健康法としても近年、幅広い年代の支持を広げている。景観に優れた九州の山道は、愛好者にとってあこがれの舞台の一つ。世界的ランナーの石川弘樹氏(34)は4月18日、国内有数のカルスト台地として知られる北九州市の平尾台で開く大会を企画する。

 ●おしゃれに

 専用シューズに、若者に人気のカラフルなウエアやタイツ‐。走りやすいよう工夫された小型のリュックサック。頑丈な靴に大きな荷物といった「登山」の重々しさと趣を異にし、トレランのいでたちは「おしゃれでかっこいい」印象だ。

 大会は、一直線にゴールを目指すことを強いられるわけでもない。北九州市内でアウトドア用品店「BROSS」を経営する永松義弘さんは「途中で歩いてもいいし、立ち止まって景色を楽しんだり、写真を撮ってもいいんです」と、気軽さ、自由さを強調する。

 単調になりがちな平たんな舗装道路でのジョギングに比べ、飽きにくい健康維持のためのトレーニングとして女性誌でも紹介。「ウエアなどを求めて来店する若い女性も増えている」という。

 トレランの歴史が長い欧米では200キロを走破する大会もあり「過酷な競技の性格も持つアウトドアスポーツ」と認知されているが、日本で一般に普及し始めたのはここ数年。2008年に専門誌が複数創刊され、関東を中心にタイムを競う大会も増加している。アウトドア用品メーカー「モンベル」(大阪)の広報担当も「トレラン関連商品は急速に売り上げが伸びており、開発に力を入れている」と話す。

 ●「聖地」育て

 トレラン人気のけん引役の一人が石川氏。世界最高峰の米国選手権で総合優勝するなど、トップランナーとして世界各地を転戦する傍ら、国内の山々を自ら走り、景色が魅力のコースを著書やブログで紹介、普及にも力を入れている。

 石川氏が現在、重視しているのが「自然との共生」。人気上昇に伴い、ゴミ投棄や植物の踏みつけが増え、自然への悪影響を心配するからだ。4月に平尾台で開く大会は出場定員を400人に絞り清掃活動も実施する。自身の著書で「ここは日本なのか、と思わせるほどの景色」と絶賛する平尾台を、自然を守りながら走りを楽しむ「聖地」に育てたい考えだ。

 国選定の環境モデル都市・北九州市も、石川氏の姿勢に共感。平尾台の魅力を全国にPRする好機ととらえ、北橋健治市長が大会実行委名誉会長に就任して全面支援する予定だ。
=2010/01/27付 西日本新聞夕刊= ⇒ http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/148815

※ちなみにトレイルランナーと云うか、伝道師だと思うんだけどね、鏑木毅選手の考え方も素晴らしいのでページを貼り付けときますので、ご覧下さいませ。
『トレイルランニングと云う文化』より ⇒ http://www.trailrunningworld.jp/opinion.html

国定公園で開催された信越五岳100km & 戸隠45kmも同じく、レースなのに山道でハイカーに『ご迷惑をおかけします!』と殆んどの参加者が声をかけていたし、道を譲り合った。 ゴミ等は捨てると失格を課せられるから論外。(おまけに試走会では林道整備も付帯) 地域住民がボランティアで村興しに総動員、地元の若者は胸を張っていたし、レース参加者は宿泊を前提とするし、相互互恵の関係が成立して、山間部の状況を考えると若者がこぞって山に集まることなど無いわけだから地元の活気にもなるし、本当に素晴らしい事だと思えた。奥山