南アルプス・仙丈ヶ岳

2011年1月8日(土)9日(日)10日(祝)

  冬山登山南アルプス 仙丈岳3033
 

今年は雪が少し少ない。
戸台から北沢峠に入って二日目、仙水小屋を暗いうちの6時に出発、仙丈岳に向かった。天気はいい。北沢峠には静岡労山テント泊組のテントがあった。早々と先行しているはずだ。
大滝の頭でアイゼンをつけた。服装を整える手はすぐかじかんでくる。
厳寒のマイナス123度。頂上はもっと冷えているだろう。
樹林帯を抜けるとものすごい渦巻状、仙丈名物“強風”。身体を持っていかれる。耐風姿勢をとり風をやり過ごし、又進む。
前の人が風によろめくのが良く見える。これでは小仙丈までも行かれないぞ。振り返ると、下でEさんが手招きしている。ははー、風待ちだなと直感した。時間はまだあるから。Eさんはすかさず風の陰に雪を掻き、待避所を作った。
上から5人降りてくる。当会テント組だとすぐ分かった。小仙丈を行ったところであきらめた、風で眼鏡が飛んでしまう、とMさんが上の様子を言っていた。
私たちは多少風が止んだか30分ほどしてまた登り始めた。
「一歩でも頂上に近づくことだけ考えるのだ!」とEさんの怒号も風の中。
これじゃ小仙丈で終わりだなと思いきや、甘かった。なんと強気な。いま雲の中に入っているな。ここから狭い稜線になる。風は弱くなった。前方に見えるアップダウンにうんざり、でもなんのそのと思いたいがやはりつらい稜線歩きだ。夏でもこのあたりはしんどさが増す。時々霞がかかり、前が良く見えない。
ゴーグルは中が凍って視野が極端に狭くなってしまった。思い切ってはずしたら周囲がすごく良く見える。でもヤッホーなんて言えない。
ナイフリッジ状を慎重に通過。ここで強風が来たら転落だ。前方にはまだまだ急登が見える。
ぜーぜーあえぎながら標識の見えるピークに達した。1215分。
3033メートル登頂成功。皆で握手をして喜び合った。早速新調の会の旗をザックから取り出し、記念撮影。
満足満足、リーダーに感謝しながら凱旋の下山となった。