私は、厳冬期に単独でのテント泊は経験がありません。八ヶ岳に単独で行く場合は、前夜発日帰りでの行動になるので機会がありませんでした。厳冬期単独でのテント経験が無いのは恥ずかしいのでトライして見ました。テントはプロモンテの二人用テントです。
1月11日、朝静岡発いつも通りに美濃戸口に駐車する。荷物はワカン・スコップ含めて18Kgとなり、3時間40分もかけて行者小屋テントサイトへ着く。私の小さいテント張る位なら既存の場所に無理やり張ることができたが、せっかくスコップもあることだし、一から斜面を掘りテントスペースを作ることにした。
大変である。もう一度言おう。大変である。通路近くは比較的雪が締まっているが、以外はズボズボで足でいくら踏んでも固まらず、且つ平面を作る為に大量の雪を掘る。18kg担いでここまで来てからの労働?である。フラットの心算が斜めで再度掘り返す。その繰り返しで疲れる。
やっと場所ができてテントを張り出す。このテントは吊り下げ式で、外張りを取付たあと、固定ロープを支柱にプルージックで結び、外張りの穴を通して引っ張る。気温は低いが風が無いので何とかできました。やたら時間が過ぎて時間は17時になっていて気温はぐいぐい下がり始める。水汲みもして、やっと、やっとである。テント内に入り暖を取りはじめると、テント受付をしていないのに気がつく。寒さで頭がフリーズしてしまっていたのだ。私のPC[XP]と同じである。
さて、本日のディナーはカレーです。アルファ米200g、野菜、御殿場高原ウインナー6本、ルーを4皿分[ドロドロが好みなので]で調理。本日はかなり疲れた部類なので食欲旺盛です。カレーが出来上がり、こんなに食べれるのか心配したが、無理せず食べてしまった。しかし、寒いのです。過去一度だけ行者で3人でテン泊したことがありますが、その時はホエブスで強力な暖房を取ることができたので寒い記憶は無かったが、今回は寒い。コンロでお湯を沸かしていても寒い。もう一度言おう。寒い。就寝前にトイレに行くと列になっているではないか。あまりに寒いので皆足踏みして順番を待つ。PM7:30就寝。普段なら周りの声が結構気になるが、今回は疲れているのでどうでもよくなる。明日は即撤収してそのまま帰ろう。
この写真を見て朝ではないのが分ります。行者小屋は山の西側なので陽が朝は当たりません。登山計画書には、4時起きで、阿弥陀北稜下部の最西尾根を登る予定でした。その為にワカン持参したが、トレースの無い暗い樹林帯に、このとても寒い中その気になれず、昨晩は即帰ろうと思ったが、あまりに軟弱なので赤岳位は登ろうと、テント内でぐずぐずした後に出発。AM7:00になってしもうた。
文三郎尾根をしばらく登ると西壁に人だかり約10~15人程がいる。そう、位置的に赤岳主稜の取付部と思われる。やはり人気ルートなのだ。しかしこの寒い中の順番待ちは大変そうだ。連休中のバリエーションは要注意です。さらに登り文三郎尾根分岐に立つと、中岳稜線と阿弥陀岳が良く見える。トレースが無いのである。真っ白な中岳稜線と阿弥陀の斜面。中岳がノートレースは時々ありますが阿弥陀の頂上直下東側斜面がノートレースは珍しい。これは登るしか無いと思い、トレースの無いナイフリッジがいっぱいある中岳稜線を、ハイマツと雪の付き方に注意して通過する。楽しい、昨日の苦行はすっかり忘れて夢中です。この遅い時間にトレース無しの登山ができるのである。中岳通過してコルに近づく手前、阿弥陀斜面を見ると人が5人程知らない間にへばり付いているではないか。しまった、中岳沢or一般ルートで登ってきた人達だろう。先を越されてしまった。テント内でぐずぐずしていたのが災いしてしまった。もう楽しみ半減。しかし登ってみるとパウダースノーでアイゼンフリクションも効かない雪で岩稜もかなり隠れてしまっている。これは、ラッセル御苦労様といった感じだ。
阿弥陀山頂に着くと南稜から約8人広島労山の方々が登ってきた。不思議なのだが皆若い。遠くから御苦労さんです。静岡に住む便利さを再度認識させられました。下山は中岳沢をバタバタ下りAM11:00。テント撤収していると他のグループが私の自作テント場をさらに広げて使いたいと申しでてくれたので、昨日の苦労が無駄にならず嬉しいことです。
こんな具合に私の初の厳冬期単独テント山行が終わりました。あれこれありましたが、なかなか充実した山行でした。
by 軟弱君。・・・おっと忍者君でした。