初春の南アルプス、上河内岳&茶臼岳

毎年4月の恒例行事となりつつある、南アルプス「茶臼小屋」の山行も、今年で3回目。
昨年は、コロナの影響で行けてませんでしたので、2年ぶりにトシゾーさん&モリッシーの二人で行ってきました。
朝5時に自宅を出発し、7時半には沼平のゲート前へ。
今回は仕事の関係で同行できなかったトシゾーさんの奥様Qちゃんが、行きも帰りも「沼平まで車で送迎してくれる!」との事で大変助かりました!なんて素晴らしい、できた奥様なんだー!!


指導センター前にある山桜は、今が満開。その桜の前を、引っ切り無しに往来する工事車両を横目に、ゲートを出発しました。
美しい南アルプスの大自然の裏には、着々と準備が進みつつある、リニア工事があることを忘れてはいけません。


すっかり舗装されてしまった林道をぼちぼち歩いて、登山口となる畑薙大吊橋へ。


橋を渡って、先ずはヤレヤレ峠を目指します。木々もだいぶ芽吹き始めましたね~。


そして、ミツバツツジも今が見頃。


「ウソッコ沢小屋」を越えた上河内沢の出合に架かる橋は台風で崩壊してましたが、いつの間にやら、立派な新橋が架かっていました。その橋を渡ると、いよいよキツイ急登へ。


その急登の途中にあるN字に折れ曲がった木も健在でした。しかし、なしてこのような姿に・・・?


急登を登り切れば、上河内岳の展望が良い「横窪峠」へ。いや~それにしても、今年は全くと言って良いほど雪が無いですね~。


峠から沢側へ降りれば、「横窪沢小屋」に到着。ゲートからここまで3時間と、なかなか良いペースで来ました。
ちなみに、峠にあった登山道(沢への下降路)は崩落の為通行止めとなっており、現在は「鳥小屋尾根」の支尾根を少し歩いたところに、新しい登山道ができています。


横窪沢小屋から先は、更に急登でまたキツイ事!
標高1900mを越えたあたりからようやく雪が現れるも、2年前と比べれば、やっぱり少な目。
2年前は、ここをへいこら言いつつラッセルしましたが、今回は腐れ雪でアイゼンも着けずに登っていけました。
左へのトラバースポイントが今一つ不明慮でしたが、適当に樹林の中をトラバースしていくと、やがて茶臼小屋も見え始め・・・でも、小屋が見えてからが長いんですよね~。


最後の雪渓を登って行けば、「茶臼小屋」に無事到着。
最後の踏ん張りで両足がつってしまいましたが、ゲートから何とか5時間半で辿り着けました。


思いのほか、早く着き過ぎてしまったので、全く予定になかった上河内岳の奇石「竹内門」まで行ってみることに。
稜線に出てみれば、このすこぶる良い景色!ここは、いつ来ても素晴らしい所です。


今冬は、雪の降る量も少なかったせいか?景色的には例年よりも、半月以上雪解けが早い感じです。


緩やかな丘を登って少し下ると、前方にピラミカルな上河内岳が現れました。


窪地を登り返して雪渓を登って行けば、竹内門も目の前に。


でもって、上河内の山頂も目前ですが、私もトシゾーさんも特に山頂へのこだわりもなく、それよりも小屋に戻って、早くルービーにありつきたい一心・・・という事で、予定通り、ここで引き返すことに。
竹内門はチャートの岩塔、このくねくねした模様が特徴です。


前方のピークは茶臼岳、その右奥にあるのが光岳。
夏の大縦走の時は、黒戸尾根から、はるか彼方にある光岳まで、よく歩いたものだと懐かしく思います。


帰路は、左の山側ではなく「亀甲状土」の窪地を歩いて行きました。ここはまるで、ゴルフ場のフェアウェイみたい。
無雪期の大縦走の時は窪地に池ができ、まさかの「逆さ上河内岳」を拝むことができましたが、今日は、また違ったシチュエーションの上河内岳でした。


稜線上の景色も堪能して、小屋に戻れば・・・


呑兵衛はお待ちかねの時間!先ずは、雪でキンキン冷えたビヤーで乾杯!泡がクリーミー状でなんと旨いこと!
ビヤーをグビグビとやりつつ、まずやるべき事は、雪を溶かしての水作りですね。


で、今宵のお伴はコチラ。赤ワインに正雪・純米吟醸、ラム酒に焼酎・・・これでも、酒の量を少な目にしたつもりなんですが・・・。
この時期は、まだ登山者も茶臼小屋には来ないだろうと思いきや、今日はテント泊含めて約10名となかなか大賑わいでした。今週末は土日とも天気が良いので、たまたま登山者も多かったのかな?
夕飯食べて、何だかんだお酒も全部消えて無くなり、周りの皆さんも床に着いて静かになったので、珍しく記憶のあるうちの20時にはお開きに・・・

2日目・・・
昨晩もお酒をよく呑んだおかげで、シュラフに潜れば秒殺でバタンキューでしたが、未明に誰かがトイレに行く物音で目を覚まし、その後も誰かのイビキが気になってしまい、眠ったのか?眠れなかったのか?よくわからぬまま朝を迎えてしまいました。。。
小屋泊まりの皆さんが朝早くから動きだし、時計を見たら5時なので、仕方なく私達も起きることに。


外へ出てみれば、昨日はガスって見えていなかった富士山や、白峰南嶺の稜線がくっきり!
いや~今日も天気は最高の山日和!


ゆっくりと朝食を済ませ、6時半には小屋を出発。目指すは茶臼岳。
営業している茶臼小屋には泊まったことがないですが、ロケーションといい、いつ来ても素晴らしい山小屋だと思います。
今年の夏は、(コロナ禍で)営業するかどうかは未だ決まっていないそうですが、早く山小屋に活気が戻ると良いですね。


茶臼岳は、ハイマツと地面が露出し、夏山とほぼ同じ状態。


山頂に着けば、お約束のハイチーズ!風も無く音も無く、誰もおらずの静かな山頂でした。


もう何度も見ている筈の景色なのに、ずっと見ていられるのは何故でしょうね。


南西方向には仁田岳、その奥にはイザルガ岳~光岳。


南方向には、大無間山~大根沢山~信濃俣。手前の仁田岳南東尾根と合わせて縦走した事が懐かしいですね。
景色も十分できたことだし、予定通り「鳥小屋尾根」から下山します。


雪は締まって歩きやすいのですが、落ちたら一直線の急斜面もあるので、下りは神経使います。


このガレガレの迂回路となる北斜面のトラバースも滑りやすく、注意が必要。


だらだらと尾根を下って鞍部となり、そこを登り返せば「畑薙山」の山頂へ。もう全く雪がありません。


畑薙山から更に下って、畑薙第一ダムのダム湖が見えるガレ場に出れば、あともうちょい。
って思うも、ここからの下りがまた急で長いんですよね~。


うんざりするくらいの急斜面を下り、目の前に鉄塔が現れば、鳥小屋尾根もこれにて終了。
山頂からジャスト3時間で下りました。


山と下界の境目でもある畑薙大吊橋を渡れば、山行も終了。

しか~し・・・


無事下山してヤレヤレするも、トシゾーさんのタントは何とパンク!
でもそこは不幸中の幸い、川根在住のミッチーがスペアタイヤを持って白樺荘まで直ぐ駆けつけてくれて、この危機を何とか脱する事ができました!持つべきは、頼れる友人ですね!
白樺荘のスタッフにも大変お世話になりました。ありがとうございました。

タイヤを無事交換して、白樺荘の温泉にもゆっくり浸かって、その後は?と言いますと・・・


呑兵衛1号&2号は、また「生」で乾杯してしまいますた(ごめんねQちゃん)。。。

まだまだコロナ禍でもあり、観光開発やリニアに揺れる南アルプスですが、また今夏も訪れたいですね!
By モリッシー