《フリークライミング(自己解放)へのいざない》

教育講習その1: クライミングセオリー

日時:平成21年 4月12日(日)
出発6:30a.m ~ 終了6:30p.m
目的地:伊豆大仁 城山山頂下
クライミングエリア:ぽこぽこランド 
参加者;奥山・角田(報告奥山:okuyama_clinica@msn.com)

フリークライミングとは様々な定義がなされるが、勤労者にとって最も大切なことは何だろうか? 週末の貴重な一時を自然の中で過ごす事だけではない。(それならキャンプやハイキング等の自然観察会で充電すればいい) 頭も体も透きとおるほどの・・・、言わば無我の境地で、等身大の自分自身を見つめて対話する、真っ白な時間と行為だと思っている。 
フリークライマーの精神を貫いている根幹はオンサイト至上主義、正しい日本語で言うと、後にも先にも一期一会のクライミングを大切にしたいとの精神性である。
何の保障もなく、先の読めない状況で、その刹那、次の一手を判断する能力を問われる時、 何の躊躇いもなく軌道修正できる余裕と決断する能力、おまけに間違いは即時修正できるだけの総合的な能力を必要とされる、それがオンサイトである。『謙虚に、こうゆう能力を高めることが、仕事や豊かな人生を高めることに直結していると私は思う。』
 そう今回のクライミングセオリーで取り上げなければならない一期一会は、ルートファインディング(敵を知り己を知ること)である。 登りたいルートに如何に心を沿わせる事ができ得るのか?! そこに尽きると思えたのが、今回も身に沁みて感じたことである。
当日は、最初にアップを兼ねて角田君に5-8オンサイトを試みて頂いた。 1、(エバーグリーン15mボルト4本)2、(運命のTAX11mボルト3本)緊張しながらもオンサイトを達成してもらった。 次は、5-10a(アライグマ13mボルト3本)をトップロープでホールドをまさぐりながらも難なく登りきった。 これに気を良くして再度リードクライミングに挑戦して頂いたが、核心部でさっき出来たはずの手順ができない。 
ちなみに此処の壁は、うすら前傾斜に、少し外傾斜し、体が3Dで引き剥がされるから、常に体の感覚で修正をかけていかないと必然性で登りきる事は難しいのです。 結果、敗退を余儀なくされたが、これがフリークライミングの難しさだと思うよ。 一度、できた事が状況を変えても左右されないぐらいに体で反応していかないと出来ないのである。
そうゆう私も特筆すべきことがある。 うすらかぶりの≪おじきの叫び≫であった。
トポによると、5-10Cボルトの数は4本、13mのルートで上部テラスに抜ける所のホールドが乏しいと書いてある事を体現したからである。 確かに張り付いてみると、薄らかぶり外傾しているし、手順が詰まり易いホールドの配置だし、何よりホールドを手探りで探し出し軌道修正をかけながらも・・・見つからないのであった。 結局、3回もトライしながら、やっとこさ抜けれた悲しい(泣)結末だけど、 ところが角田君には探し出したホールドに目印を付けて、手順も、手足の順番もムーブごとに指示したら・・・出来ないと思ってたけど核心を登り切ったのであるからすごい!! さっきのように5-10aをリード敗退しても、きちんとマニュアル化してあげれば初級者でも5-10cの動きが確立するのだからフリークライミングって面白い!ホンとそう思った。
この後、何本かやってからハイライトは高度感を味わえるルートを選定した、≪復活の日(癌からの)5-10aボルト8本≫ ≪天の命を給う5-10cボルト5本≫である。
求めたい課題内容は、トップロープクライミングでもリードの重さを下げ&ボルトを触りながらルートを意識することに留意したいものだが、しかし後者では余裕がなくなってしまいボルトから、云わばルートが意図すべきものから意識が遠退いていたかのようだった。
※初級者は落ちるルートをリードすべきでない。 ルート選択が何より大切です!
リードであれ、トップロープであれ、大切な事はボルト位置と間隔が意味するものに忠実に配慮しなければルートファインディリングを身に付けることは難しいだろう。 
ルートから逃げない! 出来ないなら仕切り直し! それがフリークライミングの鉄則。 だがオンサイトは一生に一度限りなのであるから、達成感に包まれる貴重な一時を迎えるためには手順を詰まらせ敗退を余儀なくされることなくルートと自分の動きを見据え、クイックドローのゲート方向とボルトの流れを見極めたクライミングが望ましい。 そして、いつの日かあの頂きへと自分を駆り立てる思いが胸をよぎるようなら、それがフリークライミング(自己解放)と貴方を結び付けるルートである。 フリークライミングを挑戦する気位は、常に心にわだかまりが生まれないように純白な思いで登りきってもらいたいものである。
講習ルート;エバーグリーン5-8、運命のtax5-8、アライグマ5-10a、おじきの叫び5-10c、猫背5-10a/b、復活の日5-10a、転勤前5-10b、天の命を給う5-10c、以上の8本を選択した。

所感;角田君は優しげな顔立ちだが、意外と冒険探検が好きだった。 今後、コンディションや体を作る目的を主体に山岳コースでトレラン&トロットルを企画したい。奥山