10月の3連休は、癒しの谷川の沢、「ナルミズ沢」へ行ってきました。
谷川の沢といったら、一ノ倉沢や幽ノ沢などの岩場をイメージしてしまうが、今回は癒し系の沢。そのナルミズ沢は「天国のツメ」と形容される程、最後は美しい草原の中を抜けて稜線に出るとのこと。しかし、その後は、長い長い稜線歩きの「地獄の下山」が待っているとも!?
前日夕方6時半に静岡を出発し、新東名から圏央道を経由して関越道へ。水上ICには夜10時半ころ到着。静岡からだと、物凄く遠いイメージのある谷川岳も、圏央道ができたおかげで、随分とアプローチが良くなったのね~。
土合駅近くのドライブインで仮眠を取り、翌朝6時に朝日岳・白毛門登山口がある駐車場へ。その駐車場近くを流れる沢が「東黒沢」。土合橋から見える堰堤を越えたところから、遡行開始。
遡行始めて30分、早速、東黒沢の看板の滝といわれる「ハナゲの滝」が現れた。
傾斜の緩いナメ滝ですが、初っ端なのでフェルトのフリクションを確認しつつ、右岸側を登りました。しかし・・・ハナゲ(鼻毛?)って??なして、そのようなネーミングに?
通過の際、岩で頭が抑えられる小滝、水量はやや多めなのかな?
白毛門沢出合、右俣へ。
沢に朝日が射すと、きらきら輝いて癒されまくり。
体長15センチくらいのサンショウウオ、そして沢に横たわるブナの倒木には、うまそうなキノコも。
やがて沢は枯れ、峠の兆し。だだっ広い1350m鞍部は、一面笹に覆われ不明瞭。しかし鞍部を越えると、直ぐ沢筋を見つけることができました。
ここの紅葉は、まだちょっと早いかな~という感じだったが、それにしてもブナが美しいこと・・・。
まるで水没した登山道のような、穏やかな沢筋をどんどん降りて行くと、ウツボギ沢に合流。そしてすぐに宝の川、いよいよナルミズ沢へ。ここの出合には、たくさんのアケビが実をつけていました。
ナルミズ沢は、エメラルドグリーンの淵がたくさんあり、魚影も濃い。
暑い真夏だったら、間違いなくドボン大会だ。
このあたりのナナカマドも、だいぶいい感じに色づいていました。
前方に見える山は、越後烏帽子かな?
14時過ぎには、予定通り大石沢出合のテン場へ。上に見える山は朝日岳。テン場近くにも大きな淵があって、なかなか雰囲気の良いところです。テン場に着いて、まずやる事と言ったら、ビヤを冷やすこと。一晩燃やすのに十分過ぎるほどの薪をみんなで拾って、早速宴の準備。
トシゾーさんのザックの中からは、なんと秘蔵の今代司純米吟醸、しかも生酒が!!まさか一升瓶丸ごと背負ってくるとは、恐れ入りました・・・。
3人で持ち上げたお酒は、ご覧の通り・・・どんだけ呑むのよ~。計画書には、確かに「酒は多め」と書いてあったが、のんべ3人が呑むにしても、これはハンパ無い量! ビール2本づつ空け、ワイン空け、日本酒を数杯コップで飲んだところまでは覚えているが、既に記憶はうる覚え・・・
日本酒のほのかな甘みが、また口当たり良く・・・明日は、沢山歩かなくてはならない事など、2億4千万光年の彼方に消え、いつの間にやら泥酔状態・・・この夜、私はいろいろ破壊事件を起こしていたが、この時は、まだ誰も知る由も無し。明日は天国、それとも地獄か?
翌朝・・・
トシゾーさんの掛け声で目が覚めた。
泥酔状態で、何時どうやって、テントに潜り寝たかは?定かでないが、夜寒くて目が覚め、それと同時に吐きそうになり、テントの外に出ようもファスナーが開かず、テントの中だけは汚すまいと、慌てて外へ出て、ゲロっていた記憶はあるような・・・(汚くてすまん)
朝起きると、その痕跡が残っていた。
入口のファスナーは、見事にチャックが剥ぎ取られて破壊されているし、
テン場を汚したくない気持ちが働いたのか?恐らく靴を履いたまま沢に浸かり、吐いたのだろう・・・靴下とアプローチシューズは、びしょ濡れ状態。
事件は、これだけに留まらず、私のメガネは、片方の柄が無くなってるし、ヘッデンは解体されてバラバラに・・・
トシゾーさんのコッヘルも、私が転んだ際に蹴とばしたらしく、被害被ったということだ・・・
う~む、覚えてなーい!
6時半過ぎにテン場を出発。稜線は朝霧に包まれていたが、まずまずの天気。
さっそく、腰近くまで水に浸かる。
綺麗な渓相のS字ゴルジュは、手前で右へ高巻き。
この高巻いたところも、色づいて綺麗でした。しかし足元は、ぬかるんで泥だらけ。
8m魚止の滝。 滝右を簡単に突破できるが、私は体幹ヨレヨレなので慎重に抜けます。
ガスの切れ目から、正面に「越後烏帽子」も現れた。
そして、ナメ滝も現れます。
やがて「越後烏帽子」の直下にある二俣へ。 水場があって、草付きのテン場もあって、ロケーションはすこぶる良い! でも、焚き火に必要な薪がほとんど無いのが難点・・・
その左頭上に見えるのが「ジャンクションピーク」なのかな?ここも見事な紅葉。
右俣を詰めていくと、左右草付の斜面に包まれた赤茶色のナメ床になり、雰囲気が変わった。
細くなった沢筋を更に詰めていきます。
黒い沢床は左に向きを変え、やがて「大烏帽子山」が正面に。一面、黄金色の大海原!
そして源頭部へ。ここから先は水も枯れ、沢筋も消えた。
この雰囲気こそが、「天国のツメ」と言われる由縁。
詰めの最後は「越後烏帽子」と、写真の「大烏帽子山」のコルに出ました。
稜線上には一般道があるかと思いきや、はっきりした道も無く、一面笹原なんですね~。どおりで我々以外、人影もなし。
先ずは前方の「越後烏帽子」の登り、天国から一転、長い長い地獄の縦走歩きが、遂に始まる。
「越後烏帽子」の先には、またデカい「ジャンクションピーク」が待っている・・・
左手側眼下に、歩いてきたナルミズ沢の谷筋。
左奥のピークが「大烏帽子山」。
「ジャンクションピーク」への登り返しが、またキツイこと・・・。
そのジャンクションピークの最後の笹漕ぎが終わると、ようやく一般道に合流。
朝日岳山頂に全員揃ったところで、恒例のハイチーズ。
笠ヶ岳(右)に、バックは谷川岳の「一ノ倉沢」。
「笠ヶ岳」と正面の「白毛門」のコルは、まさに紅葉のピークを迎えていて、華を添えてくれました。
この日は、10月中旬にしては非常に暑く、二日酔いだった私は相当バテバテでしたが、それでも、綺麗に染まった紅葉をシャッターに収めながらの下山は退屈もせず、ゆっくりながらも、スタート地点の登山口には15時過ぎに無事到着できました。
癒しの沢「ナルミズ沢」は、評判通りの素晴らしい沢でした。
トシゾーさんからは「クラッシャーもりっしー」という、また新たなレッテルを貼られてしまったが、これに懲りずに、お酒担いで、またどこかの山へ沢へ行きたいですね!
皆さん、お疲れ様でした。
By もりっしー