剱岳 源次郎尾根 (後編)
さて、いよいよ源次郎尾根のアタック日です。天気はどうでしょうか!?
長い1日になりそうなので、早朝4時前に出発です!!
▲ まだ暗い中、ヘッデン点けて剱沢雪渓をひたすら下ります。
皆歩くのが速い。 下りは足のストロークで決まるので、私は遅い。(忍者)
▲ 明るくなった空が雪渓に反射して美しい!!
▲ 源次郎尾根です。今回は支稜ルートではなく、ルンゼルートから取付きます。
▲ その取付きに向かうクライマーたち。
やはり人気がありますね~、懸垂下降が渋滞しそうで心配です。
▲ 5:10 自分たちのパーティもルンゼに取付きます。
▲ 難しい雪稜ではありませんが、距離が長いため、シンドイです。。
それに部分的に腐った雪もあるので、疲れてくると緊張します。
と、そのとき上から、「ラクッ!!」の声が。。
ふと見上げると何かが落ちてくる。
ん!? なんとクライマー2人がもんどりうって滑落してきた!!
自分の横を過ぎるときにはかなりのスピードでモノのように落ちていった。。
(1名が滑落し、それを止めようとして二人とも滑落した模様)
(雪陵はフリーソロと同じような状況なのでミスは許されません)
(雪陵はフリーソロと同じような状況なのでミスは許されません)
大丈夫だろうか、助けに行くべきか、いろんなことが頭をよぎる。
幸い、下に多くのクライマーがいるので大丈夫だろう。
ここからのクライムダウンも大変だし、二次災害になる可能性もある。
幸い自分たちの登っている延長線上ではなかったのでよかったが、
同じ列でいたら巻き添えをくらっただろう。
いきなりショッキングな事故を目撃してしまったため、妙に緊張をあおられることに。
他人のルートラインを登らないのが非常に重要だと思いました。天邪鬼の私は、あまりトレースされていない且つアイゼン前爪が良く効く凸ルートを登っていました。彼らは2m横の凹部ルートラインをかなりの速度と迫力で滑落していきました。(◎_◎;):(忍者)
▲ 先ほどの滑落事故のものと思われる、救助ヘリが到着。
他でも事故があったと思われ、これ以降、ヘリが度々上空を旋回していた。
▲ 7:30 ようやくⅠ峰尾根へ到着。
▲ 7:50 Ⅱ峰到着。振り返ればⅠ峰のトレースが見えます。
▲ 八ツ峰のパノラマ。いつかチャレンジしたい。
▲ 懸垂下降ポイントへ向かいます。
▲ 8:30 Ⅱ峰の懸垂下降ポイントで前パーティに追いつく。しばし待ちである。
でも、思っていたより混んでなくてよかった。
懸垂下降ポイントに取付く為に写真中央のかなり急な岩場を下りますが、ここはバランス要注意です。
"(-""-)"(忍者)
▲ 11:10 名残惜しいですが下山します。下りは別山尾根を使います。
”カニのヨコバイ”の上部。プレートがあった。
2010年の秋はひどく渋滞していて、人偽的な落石もあり、その時の方が危険を感じた。(◎_◎;)忍者
▲ ”カニのヨコバイ”通過中。
冬季は”カニのヨコバイ”を上り下りともに使うのでタイミングが悪いと混みます。
▲ ”カニのヨコバイ”下部。
▲ あの尾根を越えて行きます。
▲ ときおり急な斜面があるので、下山も油断はできません。
▲ 剱沢を挟んで、別山、剱御前。まだまだ先は長い。。
▲ 剣山荘を過ぎ、今朝下った剱沢を登ります。
傾斜は緩いけど、とにかく長い。こんなに下ったかな~と思うほど長い。。
▲ 15:30 やっと剱御前小舎に到着。 約12時間行動でした。
疲れましたが、とにかく無事でなによりでした。
▲ 6:30 荷物をまとめて出発。
最終日は立山を経由して帰るつもりでしたが、天気が下り坂のため、室堂へ直行です。
小屋から出ての数分はかなりの強風で体が振られました。ナイフリッジだったら耐風姿勢手前待機。
▲ おっと、ここが初日にルートを見失った場所。
晴れてればなんてことはない場所である。
しかし、山のスケールが大きく、起伏もそれなりにあるので、ホワイトアウト状態では危険ですね。
奥の斜面を左側へ行くのが正しいルートだが、右の斜面を登ったと思われる。
▲ ミクリガ池。わずかに水面?が出ています。
帰りに大町温泉入浴、鴨せいろを食し、大町山岳博物館見学し、さらに八ヶ岳PAでチャーシュー麺を食すと白馬主稜登攀の帰路のクライミング仲間と偶然遭遇。故か珍しく運転中疲れが出てO澤さんと運転交代しながら無事静岡へ。めでたし。めでたし。m(__)m 来年は八ツ嶺にいきたいなあ・・忍者より
初日、最終日は残念な天気でしたが、アタック日はこの上ない天気の中、
剱岳の山頂に立つことができ、素晴らしい景色を撮影することもできました。
滑落事故との遭遇というアクシデントはありましたが、全員無事に帰ってこれてなによりでした。
忍者君他、一緒に行った皆さんお疲れ様でした!!
(報告者;O澤)
滑落した方はその後・・
忍者君情報によりますと、幸い2名の方とも軽傷だったようです。
あの距離を滑落して軽傷だったのはラッキーとしか言いようがありません。
岩にぶつかっていたらダメージは大きかったでしょう。