大同心雲稜ルートに行ってきました

9月23・24日でモリッシー、謎男、トコロの3人で大同心雲稜に行ってきました。23日の晩に静岡を出て麓でビバーク。24日に登って帰る、というわけです。謎男って誰よ、などと考えないでくださいね、彼はこのところ逃げも隠れもする山行にいそしんでいます。

退屈なアプローチ

 朝のうちは雲が多くて何となくどんよりした中を歩き始めました。林道歩きが小1時間あります。

赤岳鉱泉からの主稜線の眺め。お天気はもひとつです。

赤岳鉱泉につきましたが、空は曇っていてガスが一杯。登れるのかしら、と不安になってきます。前回来たときは、もっとひどかったのですがね…。

モリッシーさんはいつもマイペースなところがあって、気楽にお写真を撮影しています。ここで一息入れて、水も用意してはばかりによって準備は万端とします。本日は、だれからもあああああっという声が出てこないので順調といえば順調。

あれが目指す大同心。赤岳鉱泉から大同心沢に入ってはっきりした踏み跡を大同心稜へと辿ります。はっきりしているのですが、過去何度も踏み跡から外れて適当に登ったことがある。尾根に出てしまえば、踏み跡は一層はっきりするので困ることはありません。尾根からの急登が堪えます。

大同心稜も終わりになるあたり。もう少しで大同心基部。7月にはここから右にルンゼを越えて小同心に行きました。

よく見ると先行パーティが登っている。横から見ると立って見えます。1Pは小ハングを越えます。気温は低く日陰は寒い。

大同心の壁は朝のうちは日陰です。手前の尾根の日向でハーネスをつけて少し食べて、飲んで準備をします。先行が6人いました。しばらく待ちます。昨日の相談で一応1P謎男、5Pモリッシーということになっています。奇数ピッチが華なのですが、5Pはランニングがハーケン、1Pはペツルのハンガーと言ったらすかさず謎男さんが1Pを行くというのでした。

1Pめは小ハングを越えます。左によるとこれを避けることができますが、ホールド大きくガバが多い。30m弱です。八ヶ岳特有の石をコンクリートで固めて止めたようなホールドです。久々の立った壁である上にお腹には増えた5kgをもつ謎男さんは、ハングの前でいったん休憩。「こんな壁、早く行けって思ってるんでしょ」とかビレイする我々に言うのだった。「思ってない、思ってない」と否定したら「だめですよ、顔に書いてあるんだから」人の言うことを信じない謎男!「モリッシーさん、顔にそんなこと書いてありますかねぇ?」と訊いたら「書いてないですよ」「いいですよ、行きますよ、ちゃんとビレイしてくださいよ」とぶつくさ言いながら登って行った。「あ、登りましたねぇ」「うん、登った登った、重くなったのによく頑張った」と我々は謎男さんを褒めたたえたのであった。

2Pめ。ビレイ点に着いたら、次も謎男さんのはずが「僕のノルマは終わりですよぉ」と早々と宣言するのだった。この3月退職した私はセカンドライフに入ったのでクライミングもお気楽セカンドライフと思ったら急にリードをすることになった。偶数ピッチは難しさよりも悪さが問題。はるか上から先行の落石が来たが、岩が浮いている。丁寧に立った壁を登ると一か所A0すべきところが出てくる。これを越えて浮石やホールドの外れに注意しながら登ります。難しくはないので、とにかく慎重に。

3Pめも同様です。どちらかというと3P目の方が2Pより登りやすい。同じように悪いピッチ。難しさはありません。ザイルを重くしないように注意しながら行きます。これで、私のリードはおしまい。

4Pめは、モリッシーさんです。出足の壁をこえて右に進むとはっきりしたトラバースです。セカンドのためにトラバースはロープを2本ともかけていきます。先行パーティに追いついてしばらくの待ち。こういう時は行動食を食べるのにちょうどよい。天気も良くなってきて日も当たりのんきな一休みをしました。

5Pめは、花形ピッチ。一番高いところにあって一番難しいピッチ。ホールドが小さくなり傾斜も最もきつい。グレードは5・9くらいかな。10aまではないと思うな。これがゲレンデにあるんだったらどうということのないルートですが、一番高いこの場所にあるがために難しい。10mくらい登ってかぶり気味のところを右に抜けると易しくなってルートが終わる。

大同心の頭で一息入れてから、下山の準備。天気も良くてお気楽モードでした。

何が大同心じゃ、楽勝だぜ~と先ほどまでの苦労も忘れて高笑いをするモリッシーさんです。懸垂下降で降ります。

懸垂下降で降りました。自撮りしたら謎男さんが背景で写っていた。ここにいてはいけない逃げも隠れもする謎男さんです。

懸垂下降で1P下りると、後はクライムダウンです。横岳山頂経由よりも楽で早いと思いますが、どうかしら‥?迷い込んでギャップに当たると懸垂なのでハーネスはつけています。小同心との間のルンゼで踏み跡にぶつかります。右に出て、大同心の基部。

美濃戸に到着です。この日車は最も登山口に近いところに駐車した。その分歩きが少なくなって得したような気分であった。この後は、いつもの原村の温泉に入って途中の南部で飯を食って帰ります。(トコロ)