2010年4月2~3日
石尊稜
昨晩は大滝の疲れとお酒に酔ってグッスリ・・・のはずが、なぜだか両腕がずしりと重い。
恐らく大滝の極限の登りで力を出し切ってしまったせいでしょう。
妙な倦怠感が両腕にかかり、寝返りをうっても怠さが取れずあまり寝られなく朝を迎えてしまいました。
起床4時で5時過ぎには出発!もう5時過ぎでも十分明るく、ヘッデンは要らないくらいです。
先月下見した一般道との分岐の赤い橋を渡り、沢に入ります。
左に小同心ルンゼ、三叉峰ルンゼを見送り、日ノ岳ルンゼから取り付きます。
今日は雪が締まっていて歩きやすいですが、ラッセルだったら取り付きまでが大変かもしれません。
日ノ岳ルンゼから適当に左の尾根に上がり、樹林帯の急登を登り下部岩壁に到着。
数年前に草付が落ちたので、皆さん「見た目よりもイヤらしい。」と言われますが、果たして??
早速取り付きますが、確かにホールドが細かい!でも、草付が所々残っており、
バイルを打ち込み問題なく登れました。
2ピッチ目は簡単な樹林帯。目の前の岩壁を登ると思いましたが、
Mさんが「冬壁ってのはなぁ、簡単な所を目指して登るんだよぉぅ」とのことから
壁の左側の樹林帯を登ることにしました。確かにあえて難しい所を登る必要はありませんもんね。
5ピッチ目は綺麗な雪稜です。でもリッジなのでちょっとイヤらしいかな。
所々のハイ松やダケカンバでランナーを取りながら、ここはタイトロープで登りました。
またまたMさんが「そこで振り返るぅ!」と言って写真を撮ってくれました。
リッジ状を歩いて行くと、何かイヤな予感・・・
リッジをそのまま伝って行けばいいのですが、何か危険を感じます。
下から見ていると気が付かないのですが、恐らくこれは雪庇だろうと思い、
斜面をトラバースすることにしました。
でもどこからが雪庇なのかが解らないので、かなり緊張しました。
上から見れば一目瞭然!かなり大きい雪庇でした。近づかなくて良かったですね~
上部及び下部岩壁の日陰部にはビッシリと氷が張り付いていました。アイス用のアイゼン&バイルで
来て良かった~何て思っていたら、氷が凄まじく硬い!縦爪のアイゼンも入らないほど硬かったです。
ピッケルで登ったMさんはかなり苦労されていたようです。
そのせいか、石尊稜には自分達パーティのみ。
隣の中山尾根にも1パーティーしか入っていませんでした。
確かに石尊稜自体は簡単ですが、氷が張り付いたルンゼや壁はまさしくミックスクライミング。
アイスの経験がないとちょっと怖いかもしれません。
終了点は一般登山道です。あぁ、ようやく終わった!
日陰の登攀からようやく日向に出ることが出来ました。取り付きからおよそ四時間の行動でした。
天気も良く、北アルプスも遠望出来ます。
嫁さんは何故か余裕のVサインでポーズを決めてくれましたが、自分は本当に燃え尽きました・・・
一般道から下山途中、中山尾根を登っていたパーティーが終了点からトラバースされる所でした。
自分達が石尊稜を登っている時も、あちらのパーティーがよく見えました。
まさかこのパーティーが知り合いの方だとは思いませんでしたが。
地蔵尾根に向かう途中、絶好の撮影ポイントがあったのでMさんが写真を撮ってくれました。
Mさんは写真の腕もかなりの方で賞も貰ったことがあるとか!
登攀中に撮って頂いた写真もなかなか構図も良く感激しました。
今回の石尊稜は写真の撮影ばかりしていたような?気がします。
来シーズンの目標は阿弥陀北西稜、横岳西壁中山尾根!アイスなら南沢大滝ですね~
Tさん、Mさんこれからも宜しくお願いしま~す!
Tさん、Mさんこれからも宜しくお願いしま~す!