2010年6月5日
6月第1週の土曜日に、安倍奥の白ん沢に行ってきました。
白ん沢右俣は二年ほど前に遡行したことがあり、滝はそれ程ないですが最後の浅間原に抜ける詰めが、猛烈な藪漕ぎだった記憶があります。
その為、左俣も詰めは猛烈な藪漕ぎになるのでは?と懸念しながらも、白ん沢左俣出合の100mの大滝は大変魅力的なものがあり、夢に出てくるほど憧れに近い滝に、意を決し遂に登攀することにしました。
早起きして、7時頃から遡行したかったのですが、Gさんのジムニーがパンク・・・
車をデポする為、葵高原に向かったら何故か?通り過ぎてしまい地蔵峠の登山口に行ってしまったりと
時間をロスしてしまいましたが、朝日が心地よく今日は絶好の沢日和と、喜んでスリット式の堰堤前
から出発!
以前右俣を遡行した時は、この堰堤から入渓しましたが今日の目的は大滝の登攀。
と言うことで沢沿いにあるお茶畑を通り、山葵田を抜けモノラック沿いに進むことにしました。
このモノラックは今では使われていないようですが踏み跡は濃く、だいぶ楽をさせて頂きました。
滝の左岸がホールドがあり登れそうと判断し、中段部は自分がリード!
中間部まではホールドスタンス共に豊富で問題なし。
途中で土で埋まったクラックを掘り起こしてカムを決めたり、ハーケンを打ち込みながら登ります。
Gさんは中間部から滝をトラバースして右岸に移ったらどうかと言いますが、
滝をトラバースするのって相当怖い!水流で体が持って行かれたら落ちるのは確実です。
なのでそのまま直登することにしましたが、これがムズい!!
ホールドはありますが、スタンスがない!草付きはズルズル滑り、
右側の壁はボロボロでステミングも利かない!
目の前のリスにハーケンを打ち込み、気合いを入れて何とか体を押し上げることが出来ました!
ハーケンの音色は精神的安堵を与えてくれます。あの音色がなければ登ることは出来なかったでしょう。
久しぶりに魂が揺さぶられるような登攀が出来ました。
上段部滝の落ち口までもう少しという所で、ピッチを区切って巻くか滝に戻るか様子を見ることにしました。
自分が滝の方を覗き込んでみると・・・ホールドはあり、落ち口がもうすぐそこに!
ただちょと滑っていて、フリクションを効かせるのに慎重さが要りそう・・・
中段部のリードで燃え尽きてしまった自分よりも、まだ不完全燃焼のGさんにリードを任せました。
Gさんの会心の登攀で、上段部の滝を登りきることが出来ました。
Gさんが登っている姿は自分達から見えなかったのですが、ロープの流れから判断して、
苦労している姿が想像できました。
セカンドで登ってみれば納得。落ち口直下がホールドが薄く、滑っていてムズい!!
でもGさんはナッツを使って心を落ち着かせて登ることが出来たようです。
Gさん、登っている最中は下を見たらいけません!!
2人のリードで登りきった達成感から、Gさんと固いシェイクハンド!お互い本当に良く登りました!
沢を少し詰めて、踏み跡らしきものを追っていくと・・・
何ともしっかりとした踏み跡がありました。
恐らく、植林か炭焼きの作業道なのでしょう。
あまりにもハッキリとした踏み跡なのでこれを追っていくとにしました。
小雨がぱらつきながらも所々花を咲かせているヤマツツジが綺麗でした。
作業小屋まではバッチリ踏み跡があり順調に進めましたが、そこからは消えてしまいました。
地図を見ながら、このままトラバースを続けていけば青笹山の登山道と合流できるはず。
素直に稜線まで登れば登山道と合流できるのですが、濡れたザイルを持ってくれているGさんが、
かなり大変そう。
「ザイルを持とうか?」と言えば、「大丈夫ッス!修行のつもりで歩いていますから!」
との事。最近体力を使っていなかったので鍛える為に、自ら体にムチ打っているようです。
稜線に出るのを諦めて、そのままトラバースを進めますが、なかなか登山道と合流しない!
左俣から登山道までこんなにも離れているのか!?と疑心暗鬼になってしまい、植林地帯を適当に下っていくと・・・なんと葵高原50m手前に降りることが出来ました。
ふぅ~ホッと胸を撫で下ろしました。
沢で汗と疲れた体を癒す為に、いつものコンヤ温泉に入りに行くことにしました。
コンヤ温泉大野木荘に行くと、日帰り温泉客に対してイノシシ汁をサービスしてくれるとの事!
温泉は綺麗で露天風呂は風情もあり、こんなサービスもしてくれるなんて幸せです!
梅ヶ島の市営温泉「黄金の湯」も良いですが、カルキ臭がない旅館の温泉も良いですよ~
梅ヶ島方面に行かれた方は是非お立ち寄り下さい!
充実!満足!最高の沢登りが出来ました。