八ヶ岳・赤岳西壁主稜

2009年3月20~21日

この三連休は安倍奥周遊コースに行こうと計画していましたが、所属する会のKさんから赤岳主稜に行かないか?と誘われたのでクライミング教室でお世話になったFさん夫妻、Kさん、Oさん、クライミング教室同期のTさんの6人で行く事になりました。
赤岳主稜は冬期クライミングの入門ルートとして有名で、阿弥陀岳北稜と共に人気のルートになっています。
冬期クライミングはいつかやりたいと思っていたので、不安はありましたがこの機会に行く事にしました。
20日朝、静岡市内を出発し美濃戸には11時頃到着しました。そこから行者小屋まで3時間ちょっとの行程。先月と同じ行程ですが、今回はクライミングギア、ザイルが加わって重量増・・・ショルダーベルトが肩に食い込み、急登では足取りが重くしんどい・・・
行者小屋に到着し、テントを設営、水場に水を取りに行くと先月は流れていた水が・・・ない!
三月ならば雪解けが進み水は流れていると思ったのに・・・しょうがないので雪を溶かし水を作りました。
明日は恐らくルートは混むだろうと予想して早めに出発する事にして早めの夕食を済ませ、19時には就寝。



翌朝4時に起床、5時半には出発しました。薄暗い中、ヘッデンを付けて歩きますが、
朝から文三郎道の急登は辛い!



文三郎道から主稜取り付きのチョックストーンを目指し、トラバースします。
ザイルで確保して貰っていますが、滑落することを考えるとかなり緊張しました。



1P目:遂に主稜登攀の開始です。
取り付いた時は自分達だけのパーティーだけだったのでゆっくり準備していたら
後続パーティーがぞろぞろ・・・何だか急かされているような気がしながら登り始めます。
ガイドブックではこのチョックストーンがⅣ-級との事。
そんなに難しいのかと思いきや、ホールドもあり、アイゼンのツァッケが良く効き
ピッケルも雪面に刺さり快適に登れました。



2P目:快適な岩場をクライミング。各終了点、ステンレスのボルトが打ってあるので
安心できます。



3P目:岩場はなく、緩い傾斜の雪稜を歩きます。所々浮き石があり、
落石を起こさないように気を付けました。人が多く入っているルートは落石が一番怖いですね。



4P目:階段状の岩場をアイゼンを効かせながら登ります。



5P目:ルンゼ状の斜面をアイゼンをサクサク効かせながら登ります。
ちょっと余裕が出てきて後ろを振り向けば朝暘を浴びる阿弥陀岳の美しい事!
そして遙か下には行者小屋が。自分達のテントも見えます。



6P目:取り付きの岩場です。ここからが核心ですが、前のパーティーが2パーティーいて、
ペースがはかどらないようです。ここで順番待ち。
しかし待っている間にも幾つものパーティーがここを目指して上がってきます。
狭い終了点になんと5パーティーも集まってしまいました。
内、3パーティーはガイド山行でコンテでここまで上がってきたようです。



この高度感!たまりませんね~でも狭い岩場で足場も悪く、寒気が体を襲います。
20分程待つのはかなり苦痛でした。



待っていられないガイドパーパーティーやつるべで登ってきたパーティーは自分達を追い越し、
違うルートに取り付き追い越していきました。
そんなんでかなり混み合ってきてバーゲンセールの順番待ちかのような状態でした。



7P目:アイゼン、ピッケルを雪面に差し込み、一歩一手確実に登りました。



8P目はちょっといやらしいチムニー状の岩場をピッケルを打ち込み攀じ登り、
小さなテラスに出て終了。



テラスにて小休止。セルフビレーをして、簡単な食事、テルモスに入れてきたお湯を
飲みながらリードで登ってくれたKさんと談笑。
テラスから上を見上げれば一般登山道を歩く登山者の姿も見えます。



赤岳山頂~!権現岳の厳つい山容と甲斐駒ヶ岳の素晴らしい姿!最高に気持ち良い!!!
夏に阿弥陀岳南稜から縦走してきた時を思い出します。
さすがにその時は登山者が多かったですが、今日は少ないです。
赤岳からの一般登山道を下りますが、一歩間違えれば滑落してしまうので
気を付けながら下山しました。



行者小屋に無事到着し、テントを撤収し美濃戸に到着しました。

赤岳主稜は素晴らしいルートで、セカンドでの登攀でしたが楽しく登る事が出来ました。ただ、人の多さにはやっぱり辟易してしまいますね。登るなら空いている平日の方がもっと快適に登れると思います。
今回誘ってくれ、リードしてくれたKさんに感謝!そして次回はリードで登りたいと沸々と闘志が燃えてきました。
次は阿弥陀の北稜、北西稜!冬期のクライミングこそ自分が求めてきたアルパインクライミングです。
来シーズンの目標はやっぱり鋸岳~甲斐駒ヶ岳の縦走ですね~

投稿者・トシゾー