剱尾根R4

カトー会長&トシゾーで剱に行ってきました。


▲いつか行きたかったR4。ちなみにRとはルンゼのRです。なのでR4は剱尾根の4番目のルンゼという意味。
馬場島を5時に出発して池ノ谷ゴルジュを足早に通り過ぎます。池ノ谷ゴルジュはデブリだらけですが、落ちきってしまっただろうと一安心。が、池ノ谷の本当の姿を見るのは下山時でしたが・・・


▲ゴルジュを通り過ぎて、今日のテン場の二俣が目の前に。目の前に見えるのになかなか近づかない!その理由はこの重荷のせいでしょう。2日分の食料にアイス用のギヤ、カム、ザイルなどのクライミング道具のお陰でザックの重さは体感25kg程!?


▲馬場島から3時間半ほどでテン場に到着してしまったので、R4の取り付きの確認&ギヤ類のデポをしに池ノ谷左俣を詰め、取り付きに到着。
1ピッチ目をちょっと登ってみましたが、最初のハーケンからの乗越がビミョ~!どうしようかと考えながらテン場に戻ると一面ガスって、仕舞いには雪まで降り出す始末・・・


▲1ピッチ目のことを考えると一抹の不安が・・・でもその不安を吹き飛ばしてくれるようなカトーさんの夕飯!タラコスパゲティーにトマトスープ!しかもトマトは生で!これにはビックリ!


▲翌朝4時起床で5時半出発。
息を切らせながら左またの急登を登って取り付きに到着。R4を見上げますが、やっぱり1ピッチ目のことを考えると胃が痛い・・・


▲1ピッチ目の乗越がやっぱりビミョ~!それでも落ち着いてスタンスを確認すれば問題なし。しかしその後が悪かった!右にトラバースしてようやく氷が出てきて一安心とバイルを打ち込めば、ガチンと石を叩く音が!?
何とベルグラ。もう少し右側にトラバースすれば厚い氷がありますが、トラバースすると言うことは、まずはそのベルグラに体重を預けなければなりません。ベルグラに体重を預けることなんて出来ないので、騙し騙しなるべく厚い氷を選んでバイルを打ち込めば何とか登る事が出来ました。ルート中この1ピッチ目が核心でした。


▲2ピッチ目が核心と言われていますが問題なし。しかし、スノーシャワーが凄まじい!
スノーシャワーを被ると息も出来ないぐらいで一苦労。


▲2ピッチ目は60m延ばしてハング下でビレイ。ビレイ支点はカム3つで。


▲3ピッチ目!傾斜は緩いですけど、体が張り出すので恐怖感バリバリ。声を出して気合いを入れます。


▲3ピッチ目の終了点から。ここでもスノーシャワーが酷い。雪だけならまだしも氷まで落ちてくる始末。当たればもちろん痛いです・・・


▲陽が差さないルンゼの中に居るので寒が体に応えますが、目の前には小窓尾根が。むこうは陽が当たって暖かそう~!


▲氷壁部分の4ピッチ目は終わってあとは雪壁3ピッチのみ。
しかしもうヘロヘロ・・・支点は全く取れません。落ちることはありませんが精神的に堪えます。


▲6ピッチ目はちょっとしたミックス。ミックスってホント嫌らしい!でもこのぐらいの傾斜だとちょっと楽しい!


▲7ピッチ目を登り切れば、待望のドームの頭が!ここからの景色は最高!


▲カトーさんも万歳!?出来ればカトーさんにもリードして貰いたかったな~


▲剱岳本峰をバックにカトーさんの写真を一枚。イヤ~カトーさんちょっと格好いいですよ!?


▲懸垂下降でちょっと手間取ってしまいましたが、無事テン場に到着。4時間半良い登攀が出来ました。
撤収をして、そこらかしこで発生する雪崩におびえながら下山開始。
池ノ谷ゴルジュは入山時と全く違った雰囲気になっておりビックリ。こんな雪崩に巻き込まれたら一溜まりも無いでしょう。間一髪!?無事下山することが出来ました。

剱尾根R4は最高のアルパインアイスルートだと思います。もっと登られても良いのでは!?
でもアルパインクライミング自体、下火になっているんでしょうね~
こんな重い荷物を背負って、雪崩に怯えながら入下山をしなくてはならないよりも小川山でワイワイガヤガヤ、キャンプ&クライミングをしている方が楽しいかも!?
それでもあの雄大な景色はあの場所でないと味わえない!剱はやっぱり剱でした。